近年人気が高まっているエコキュート。皆さんはその工事費がどれくらいかかるか、ご存知ですか?
もちろん、導入時だけでなく修理や交換などにも工事は必要ですが、 「いったいどれくらいかかってしまうのか不安…」と思う方も少なくありません。
しかし、エコキュートを考えている、または現在使用しているならばその工事費の相場を知っておかなければなりません。エコキュートは取り付けにかかる工事費も他の給湯器に比べて高いとされていますが、きちんと工事費の相場を知っておくことで、不必要に高い請求を避けることができる場合があるのです。
ここからは、エコキュートの工事を安くするポイントをご紹介します。この記事を読めば、コスパの良い快適なエコライフに一段と近づくことができるでしょう。
エコキュートの工事
エコキュートの工事の種類は主に2つ。それぞれがどういった工事なのか見ていきましょう。
1-1. 標準工事
まずエコキュートの取り付け工事において不可欠となるのが「標準工事」と呼ばれます。
本体を設置し、配管を通し、電気の配線などを行ったりするのが標準工事です。基本的なエコキュートの設置工事だという認識で良いでしょう。
ちなみにこの標準工事は、7万円~12万円程度が相場だとされています。
料金の相場が大きく開いているのは、工事業者によって標準工事として行う工事内容が異なるからです。下請け業者に外注していればそれだけ価格は上がります。
さらに業者によって、「配管の交換」を標準工事に含んでいるかどうかがまちまち。
つまりどこまでが標準工事の範囲内なのか、ということについては業者によって微妙に差があるのです。
1-2. 追加工事
標準工事でまかないきれなかった分、不足がある部分に関しては「追加工事」と呼ばれる工事が行われます。
追加工事は全く必要がない場合もあれば、手間をかけて行い、結果的に工事費が高くつく場合もあります。これはエコキュートやお風呂の使用状況によります。
元々の配管を使用し、エコキュート用の土台や配線などもすでに揃っている場合は追加工事無しでエコキュートを導入することが出来ます。
一方、他の給湯器からエコキュートに変える場合や配管を新しいものに取り換えるといった場合は追加工事が必要になることが多数です。
標準工事の見積りが安かった場合は追加工事で料金を加算されることもあります。
追加工事の対象となる工事とその費用
では具体的に、どのような追加工事があるのか見ていきましょう。こうした追加工事を多く行うことで工事費がかさむ傾向にあります。
2-1. 凍結対策工事
地域によってエコキュートが冬場に凍結してしまわないよう、専用のヒーターを取り付けなくてはいけない場合があります。
エコキュートは氷点下の気温において非常にデリケートな給湯器です。
凍結してしまうと給湯自体が出来なくなってしまうのはもちろんのこと、寒い地域で使用すると熱効率が下がってしまうというデメリットもあります。
それを防ぐために、北海道や東北地方ではこの凍結対策が必須となるのです。ちなみにこの凍結対策工事はおよそ6,000円~22,000円が相場とされています。
2-2. 転倒防止工事
通常エコキュートはしっかりと地固めをした土台の上にしっかりと固定されます。しかし、地域によっては地盤がゆるくそれでは不十分な場合も。
万が一の時にエコキュートの大きなタンクが倒れてしまっては非常に危険です。
こうした事故を防ぐ為に、通常の固定具に加えて壁とエコキュートを固定するという工事を行うことがあります。これが転倒防止工事です。
業者からすすめられることもありますが、自ら依頼しても良いでしょう。ちなみにこの工事費の相場は15,400円~とされています。
2-3. 風呂アダプタ工事
風呂アダプタ工事は、追い炊き機能のあるエコキュート(オートタイプ)を設置する際に必要となります。
浴槽と配管の境目となる部分に設置するのが風呂アダプタ。ほこりや髪の毛をキャッチして配管に流さないようにせき止める役割をしています。
そして配管から出るお湯をお風呂に供給するアダプタです。
これを設置することを風呂アダプタ工事と呼びます。アダプタを取り付けるだけであれば6,480円~7,800円程度。
しかし今までこうしたアダプタが一切なく、新規に穴をあけて装着となると工事費はさらに上がります。
その場合は浴槽と壁の両方に穴をあける必要があり、相場はおよそ10,800円~15,000円とされています。
2-4. 新規風呂配管工事
エコキュートの配管を全て新規に取り付ける工事です。業者によってはこの工事は標準工事に含まれている場合もあります。
ちなみにエコキュートを既存で使っていた場合は配管の再利用も可能です。
しかし配管も劣化や汚れの付着で徐々にもろくはなっていくので、エコキュートの買替と共に配管も交換出来たらしておくのがおすすめです。
ちなみにこの配管工事の相場は配管の長さなどによって異なります。
5mの配管を往復させるとすると、おおよそ12,000~28,500円程度です。
2-5. 基礎工事
エコキュートを初めて設置する際、置き場所となるところに土台を作ります。これがエコキュートの基礎工事です。
基礎工事の方法には2パターンがあります。
1つは現場打ちと呼ばれる、砂利の上にコンクリートを流して固める土台作り。そしてもう1つはエコベースと呼ばれる既成の土台を搬入し、置くだけの方法です。
これらの相場は2万円~4万円。
エコベースの方が安く、基礎完成までの時間がかからなくて済みます。一方現場打ちはコストも時間もかかる反面、非常に丈夫だという特徴があります。
2-6. 分電盤工事
自宅の分電盤が200Vに対応していない場合、分電盤そのものを交換する工事を行います。
エコキュートのブレーカー自体を新規取り付けする工事は標準工事に含まれていることが多いですが、分電盤工事は追加工事として扱われるケースが多数。
ちなみにこの工事費はおよそ35,000円~60,000円で行われます。回路数が増える程、金額は高額になります。
2-7. 張り替え工事
分電盤の工事は不要であっても、200Vの配線がない場合は配線を張り替える工事を行います。
これが張替え工事です。これにかかる工事費は28,000円~40,000円程度が目安です。
工事にかかる費用
続いて、エコキュートの取り換えや修理の際にかかる工事費を見ていきましょう。
3-1. 取り付けの工事費
エコキュートを取り付ける工事費、いわゆる標準工事と追加工事の平均は約15万円程度とされています。
もちろん元々使っていた給湯器の形態や、再利用できるパーツの有無によって金額は上下します。
また、給湯専用エコキュートであれば追い炊き用の配管などを設置する必要がなく、お風呂に穴をあける必要もありません。
そのため、フルオートタイプと比較して安くなる傾向にあります。
3-2. 本体の修理にかかる工事費
ヒートポンプユニットと呼ばれるエコキュートの本体。これが壊れてしまった際は、業者がいったん持ち帰り修理することになります。
工事費はおよそ15万円。
請われた部品にもよりますが、本体の内部にはデリケートな部品が密集しています。そのため工事費もかさむ傾向にあります。
3-3. 貯湯タンクの修理にかかる工事費
貯湯タンクは非常に頑丈に出来ているので、なかなか壊れることはありません。
しかし万が一台風や震災などにより倒壊してタンクのみ壊れてしまった、という場合などは修理でなく取り換えとなります。
そしてそれにかかる費用はおよそ30万円。
タンクが完全に使えなくなってしまったら、エコキュート全体を買い替えた方がお得かもしれません。
3-4. 配管の修理にかかる工事費
配管が劣化したり、つなぎめが甘くなったりすると水漏れが起きます。こうしたときに必要なのが配管の修理です。
部位にもよりますが工事費は1万円~6万円が目安。ちなみに作業は4時間以内で終了することが多いです。
3-5. 既存給湯器の撤去にかかる工事費
工事の際に忘れがちなのが既存給湯器の撤去費用。
自分ではエコキュートや給湯器を処分することが出来ないので、基本的には新しいものを取り付けた業者に持って帰ってもらいます。
この費用は大体1万円。中には、標準工事の内訳に撤去・処分まで含まれている場合もあります。
3-6. 作業員の出張費
業者によっては工事を行う作業員の出張費を別途請求するところもあります。
これは業者によって計上の仕方が違うのでなんともいえませんが、一般的には1万円前後でしょう。
こうした出張費の説明がない場合は、どこかに含まれているのか、または別途で支払うのか業者に尋ねておけば安心です。
工事費を安くするポイント
最後にエコキュートの工事費をできるだけ安くおさえるためのポイントについてご紹介していきます!
4-1. 基礎工事にエコベースを採用
先程基礎工事の種類が2種類あることをご紹介しました。
安定性で言えば現場打ちがおすすめですが、少しでもコストカットをお考えの方はエコベースを採用することで費用が抑えられます。
4-2. 既存の配管を再利用する
元々エコキュートを使っていた場合、配管を再利用することが出来ます。これをすることで新規に配管工事をする手間も費用も抑えられるのです。
ちなみにエコキュートの置き場所を変える場合、配管の再利用はできません。
4-3. 電力会社との新規契約を自分で行う
エコキュートを契約すると同時に、電力会社との契約も必要になります。
この契約はエコキュートの販売店や業者が代行してくれるのが一般的ですが、当然その代行料が発生します。
少々手間がかかりますが、この契約を自分で行うだけでも初期費用のカットになります。
4-4. 下請け業者に依頼しない
修理や設置の業者を自分で選ぶ場合、下請け業者に依頼するのはあまりおすすめしません。また、訪問販売などはもってのほかです。
こうした業者に依頼するととにかく請求額が高くなってしまいます。どこの業者がお得か、しっかり見極めましょう。
4-5. 複数の業者から見積りをもらう
エコキュートの新規購入や修理の工事を行う時、見積りをもらいます。
1社からだけでなく、複数社から見積もりをもらうことでどこが安いか判断しやすくなります。
ちなみに、業者に直接「相見積もりをしています」ということは言ってもOK。他社に差を付けようと価格競争してくれるでしょう。
まとめ
エコキュートの工事費についてご紹介しました。
色々な場面でかかってくる工事費。
最初の取り付け時に支払ってしまえばあとは快適なエコライフが送れる、というのがエコキュートの魅力です。
是非今回ご紹介した工事費の節約術も活用しながら、賢く工事の依頼をしてみて下さい。