エコキュートは節電に役立つ便利な給湯器です。しかし、エコキュートが様々な理由で故障してしまう場合があるということ、ご存知でしょうか。
実際、「エコキュートを導入したいけど、故障のリスクがどれくらいあるのかはわからない…」という方も多くいらっしゃいます。
しかし、その故障リスクを知らずにエコキュートの導入をしてしまうのはかなりリスキーです。エコキュートは定期的にメンテナンスをしていたとしても故障する場合もあれば、不調に見えて実は故障でない場合もあるのです。
ここからは、エコキュートの故障について詳しくご説明していきます。この記事を読めば、エコキュートの故障リスクや不具合について理解できることでしょう。
エコキュートの故障の種類
エコキュートの故障の種類は3種類に分けられます。それぞれがどのような特徴をもつのか、見ていきましょう。
1-1. 初期故障
設置して間もないにも関わらず、不具合が出てしまう場合は初期故障の可能性があります。
これは設置業者のミスであることがほとんど。まれに配管の設置がゆるかったりと、設置段階の不良による故障があるのです。
全く使っていないのにエラーが頻発したり、故障のような症状がでたりしたらこの初期故障を疑いましょう。
ちなみにこの場合は設置業者に連絡することで、大体の場合は無償で対応してもらえます。
1-2. 偶発故障
初期故障とはいわないまでも、設置からそこまで経過していないにも関わらず起きる故障です。
この手の故障は比較的発生率が少ないとされています。
設置当初は問題なかった配管などが時間をかけて徐々にズレたりすることによって起きる故障です。
これに関しては設置業者に修理の依頼をしても、通常の修理業者に依頼をしても良いでしょう。
1-3. 摩耗故障
故障の中で最も多いのがこの摩耗故障です。
これは年月をかけてエコキュートを使っていくうちに機器が摩耗し、故障するというもの。つまり経年劣化と同じです。
エコキュートの寿命は10~15年とされていますが、使用されている部品の中には5年程度しかもたない消耗品もあります。
そのため、しっかりと定期的なメンテナンスを行わないとこうした摩耗故障が当然起きることもあるのです。
エコキュートの給湯系の故障
続いて具体的な故障の症状について見ていきましょう。原因も併せてご紹介します。
2-1. 水しか出ない
お湯が全く出ず、たし湯をしても水しか出てこないケースがあります。これはエコキュートの温度を感知するセンサーの故障である可能性が大。
温度を感知できなくなり、適温のお湯が供給できなくなっていることが考えられます。
こういった場合には自分で対処することができないので早急に業者への修理依頼が必要です。初期故障が疑われる場合は、設置業者に問い合わせてみるのも良いでしょう。
2-2. お湯が止まらない
自動で湯はりが出来るタイプのエコキュートでも、お湯が止まらなくなる故障がまれにあります。
これはお湯の水位を感知するセンサーの故障である可能性があります。浴槽にどの程度のお湯がたまっているか、感知できなくなっている状態と考えられます。
これもまた自分での対応が出来ないものなので、業者に依頼して修理してもらいましょう。
2-3. 追い炊きが出来ない
湯はりは出来ても追い炊きのみが出来ないという故障もあります。
この場合は、追い炊きスイッチそのものが故障しているか、追い炊き機能の故障であることが考えられます。
また、4章でご紹介する「故障ではないケース」も考えられるので、まずはそこのチェックをしてみることをおすすめします。
それ以外に関してはセンサーや、電源の異常がかかわっている可能性があるので業者に修理の依頼をしましょう。
エコキュートの配管系の故障
エコキュートの内部故障ではなく、配管系のトラブルである可能性も考えられます。具体的な症状について見ていきましょう。
3-1. 配管から水漏れ
タンクやヒートポンプユニットではなく、配管そのものから水がしたたっている場合があります。
配管は結露することもありますが、明らかに1部分から水がしたたっているような場合は水漏れを疑った方が良いでしょう。
水漏れは初期故障でも起きうる故障なので、設置間もない場合は設置業者に連絡しましょう。
3-2. 水道料金が急激に上がった
内部の水漏れは直接見えないというケースもあります。こういったときは、中々気づきにくいのが難点です。
しかし、月額の水道料金が跳ね上がることで気づくケースもあります。
特にお湯を多く使ったわけでもないのに、知らず知らずのうちに水が漏れて水道代が上がっているというのが配管故障の特徴です。
実際に水漏れしている箇所が見当たらなくても、点検の依頼をすることをおすすめします。
故障ではないケースも
故障だと思っても、中には故障ではないケースもあります。こうした不具合は自分で対応できることがほとんど。
業者を呼ぶ前に自分でチェックできるポイントをご紹介していきます。
4-1. お風呂の栓が閉まっていない
突然お湯はりが止まってしまうといった不具合の場合、このような原因が考えられます。
エコキュートはお風呂の栓が閉まっていない場合、水の無駄を防ぐために自動で湯はりをストップします。
お湯はり途中に給湯が止まったら、まずはお風呂の栓の確認をしましょう。栓をすれば再び問題なく使える場合があります。
4-2. 凍結している
寒い地方や、冬場に良く起きる不具合です。
これは故障ではなく、単純に寒さでエコキュートの配管が凍ってしまっているという症状です。
基本的に自然と気温が上がることで溶けて再び使えるようになります。
急いでお湯を出す必要がある場合は、凍った配管に体温くらいのぬるま湯をかけると凍結が溶けます。
4-3. 断水が起きている
お湯だけではなく水も出なくなってしまった場合は断水の可能性が大きいです。
地域により、定期的に断水がある場合があります。お風呂のお湯だけでなく、水道などからも水が出なくなったら断水を疑いましょう。
断水が終わるまで待機し、それから再度使ってみるようにしてください。
4-4. エコキュートの下が濡れている
エコキュートのタンクやヒートポンプユニットの下が濡れている場合があります。
一見水漏れをしているように見えますが、配管からの水漏れ以外は故障ではない場合がほとんど。
タンクは常に満タンなのでお湯を沸かしたときに体積が増えた分のお湯をあふれさせる機能があります。
そのため、タンクの排水口から水が出ているのは正常です。
さらにヒートポンプユニットは外気との気温差で結露することがあるので、ポタポタと水が落ちることがあります。
4-5. 残湯不足
タンク内の残湯が無い場合があります。例えば湯はりは出来たのに追い炊きは出来ない、というケースも。
こういった場合は、追い炊きする分のお湯がタンクにない可能性があります。途中で湯はりが止まってしまったときなども同様です。
まずはタンクの残湯を確認しましょう。
もし足りなくなっている場合には再び沸き上げを行い、不足分を補ってから追い炊きや給湯をするようにして下さい。
4-6. お手入れ不足
エコキュートは定期的な配管の洗浄や、浴槽の給湯口の掃除が必要です。
これらが汚れていたり、髪の毛などで目詰まりを起こしていると給湯がうまくできない可能性があります。
また、追い炊きが途中で止まるといった症状も起きます。
そのような場合は応急処置として給湯口の目詰まりを取り除き、エコキュートを再稼働させてみましょう。
故障かな?と思ったら
それでは実際に故障が疑われる場合の対応についてご紹介していきます。焦らず以下のような手順で対応しましょう。
5-1. エラーコードを確認
エコキュートは故障すると、リモコンにエラーコードが表示されます。
エラーコードはアルファベットと数字の組み合わせで出来ています。例えばE09など。
このエラーコードが表示されていなければ自分の操作ミスや栓の締め忘れといったことが考えられます。今一度、稼働環境を見直しましょう。
5-2. 故障個所を確認、出来れば対応
エラーコードを確認したら、メーカーの取り扱い説明書にのっとってそのエラーを特定しましょう。
取り扱い説明書には、エラーコードとそのコードが持つ意味や故障の内容が記載されています。
説明書が手元になければネットでも調べることが出来ます。
そして故障の箇所を特定した後、自分で対応できそうなものであれば対応しましょう。
5-3. エコキュートをリセット
自分で対応できそうにない故障である場合は、一度エコキュートをリセットしてみましょう。
これで再び通常のように使えるようになるケースもまれにあります。
5-4. 治らない場合は電源を止めて業者に連絡
リセットしても再びエラーコードが出てしまう場合は、どこかで決定的なエコキュートの故障が起きています。
故障した状態で使い続けるのは危険ですので、一度電源を落としましょう。そして修理業者に連絡をし、修理依頼をしましょう。
故障の修理費用目安
最後に、気になる修理費用を見ていきましょう。保証期間内を過ぎてしまった部品については、全て自己負担となります。
エコキュートの修理にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。修理の種類ごとにご紹介していきます。
6-1. 消耗部品の交換
エコキュートの中には摩耗の早い消耗部品があります。
こうした部品が故障することによる不具合であれば、これらの部品を交換するだけで修理が完了することも。
こうした消耗部品の交換であれば費用は2~3万円が相場とされています。
6-2. 配管の修理
配管に使われているパッキンやゴムなどを交換する修理の場合、費用は約1万円程度と比較的安くおさまります。
水漏れなどが起きた場合はこのような修理で済むケースが多い傾向にあります。
6-3. タンクの修理
タンク自体が壊れるということは中々ありません。しかし自然災害などによってタンクが破損したりすることも無くはないのです。
こうした場合、タンクの修理には30万円もの金額がかかります。
こうなってしまった場合には買い替えの方がお得なケースもあるので、修理するか買い替えするか慎重に検討しましょう。
6-4. ヒートポンプユニットの修理工事
エコキュートの故障でもっと多いのがこのヒートポンプユニットの故障です。
ヒートポンプユニットとは、エコキュートの中でも熱を作る重要な装置。中には様々な基盤や細かい部品が集まっています。
これらのどの部品が故障したかによっても修理費用は異なりますが、最低でも1-~15万円はかかると考えておいたほうが良いでしょう。
場合によっては複数の部品の修理となると、買い替えの方が割安になる可能性もあります。
6-5. 買い替え
特に摩耗故障の場合は、エコキュート自体が古くなり稼働効率が落ちている場合があります。
故障を繰り返すといった症状も買い替えのサインです。
エコキュートを買い替えするとなるとかかる費用は約30~40万円とされています。
すでにエコキュートを導入済みの家であれば工事もそこまで手間取りません。思い切って最新のエコキュートにモデルチェンジしてみるのも一つの手です。
まとめ
エコキュートの故障についてご紹介していきました。
普段のメンテナンスをしっかりしていても、エコキュートは年々劣化していくものです。
また、気候などによっても寿命が変わってくるので常に故障のリスクは考えておいた方がよさそうですね。
故障が心配な方は保証期間の長いメーカーのエコキュートを導入するというのも手でしょう。