年々売れ筋が好調になっている給湯器、「エコキュート」。皆さんは、そのタンクの大きさの違いについてご存知でしょうか。
実際のところ、「かなり節約できるとは聞くけど、どんなタンクにすればいいかわからない…」という声も多くあります。
しかし、エコキュートの容量の大きさを選ぶときはライフスタイルや置き場所を考慮しながら検討する必要があります。 最も一般的なのは370ℓ容量のエコキュートですが、家族の人数によっても最適なタンクの容量は変わってきます。
ここからは、370ℓ容量のエコキュートにスポットライトを当ててご紹介していきます。この記事を読めば、どのタイプがあなたにとって最適なエコキュートなのかが理解できることでしょう。
エコキュートを購入する前に
まずはエコキュートを購入する前の事前にしておきたいチェック事項をご紹介します。
1-1. 我が家のライフスタイルを検討
エコキュートを導入すると電気代が安くなるとされていますが、実はすべての家庭で電気代が安くなるわけではありません。
実はライフスタイルによって電気代の減り幅は異なります。特にガス給湯器からエコキュートに変えるときには注意が必要。
エコキュートが電気代を削減できるのは、安い深夜電力で稼働するからです。
そのため、エコキュートを日中にフル稼働させてしまうとそのメリットが全くありません。
それどころかガスを使っていた時よりも電気代が高くなってしまう恐れもあるのです。
日中に電気を多く使う家庭ではエコキュートのメリットが感じられにくい場合もあるので、シミュレーターなどで電気代の試算をしておくとよいでしょう。
1-2. 置き場所を確認
エコキュートは非常に大きな給湯器です。1日分のお湯を貯めておける貯湯タンクがあり、さらにエアコンの室外機のような本体がついています。
ガス給湯器などと比較すると非常に大型の給湯器といえるエコキュート。
これを新規に導入するとなると、しっかりとした置き場所が必要です。ベランダなり庭なり、設置場所を事前に検討しましょう。
ちなみにエコキュートは深夜に稼働するので、寝室近くの設置は避けた方がよいでしょう。
1-3. 予算を決定
エコキュートの相場は20万円~70万円前後とされています。種類やメーカー、機能によって様々な料金帯のエコキュートが発売されています。
事前に予算を決定しておくことで、自分のお財布に丁度良いエコキュートと巡り合えるでしょう。
反対に、予算を組まずにお店へ足を運ぶと思いがけず高いエコキュートを勧められてしまう場合もあります。
最も売れている370ℓ容量のエコキュート
エコキュートの中でも最も一般的で販売台数も多いのが370ℓ容量のタイプです。続いてこの370ℓ容量エコキュートの概要についてみていきましょう。
2-1. 370ℓ容量の種類
370ℓ容量のエコキュートといっても、種類は1つではありません。「給湯専用タイプ」「セミオートタイプ」「フルオートタイプ」の3種類に分かれます。
いずれも370ℓという容量のあるエコキュートですが、それぞれ機能が異なります。
給湯専用タイプはまさに名前の通りで、湯はりを蛇口から直接行うタイプのエコキュートです。
セミオートタイプはそこにたし湯などの機能がついたもの。
そしてフルオートタイプは追い炊きなどすべての機能がついたエコキュートです。
2-2. 370ℓ容量が作るお湯の量と対応人数
370ℓ容量のエコキュートは、650ℓのお湯を一度に作ることが出来ます。
タンク内で作るお湯は60度以上の熱いお湯です。これを薄めながら適温にして供給します。
そしてこの湯量は4人家族が1日に使う湯量に相当します。つまり370ℓ容量のエコキュートは4人家族まで対応できるのです。
どこのメーカーでも基本的には、「2~4人用」という表記があります。ちなみに1人の場合は180ℓ容量の小さなエコキュートで十分です。
2-3. 370ℓ容量を販売しているメーカー
370ℓ容量のエコキュートは非常に一般的なので、基本的な大手メーカーならどこでも販売しているモデルです。
例えばエコキュートの国内シェア1位のパナソニックをはじめ、ダイキン・コロナ・三菱電機・東芝・日立などもそろって370ℓ容量のエコキュートを販売しています。
そのため、メーカーにこだわりたい方でも370ℓ容量は大概選べるということになります。
2-4. 370ℓ容量の相場
エコキュートの370ℓ容量は、定価では35万円前後で販売されています。
しかし、ネット通販などを見ると、15万円~25万円台のものが多く出回っています。
エコキュートはメーカーから直接購入すると依然として価格が高い傾向にあります。
ネット通販などといった代理店を介して購入すると比較的安く手に入ることがあるのです。
ちなみにこれが一回り大きい460ℓ容量になることで、価格には2万~10万円前後の差が付きます。
370ℓ容量のエコキュートのメリット
ここからは370ℓ容量エコキュートを導入するメリットについてご紹介していきます。
3-1. コンパクト
一般的な370ℓ容量のタンクサイズは以下の通りです。
高さ 約1,830~1,860mm/ 幅 約630~650mm/ 奥行き 約730~750mm
これは角形タイプと呼ばれるモデルで、460ℓ容量のものと比較してすると高さが300mm程小さく設計されています。
さらに今ではコンパクトモデルやスリムモデルといった省スペース設計のエコキュートも多数開発されています。
こうしたものを導入すればさらに場所を取らずにエコキュートを置くことも出来るのです。
370ℓ容量はこうした省スペースモデルの種類も豊富で、自宅に合った形のものを選びやすい傾向にあります。
3-2. 価格が安い
先ほどもご紹介した通り、370ℓ容量のエコキュートは460ℓ容量のものと比較して安いのが特徴です。
賢く商品を選べば20万円台で購入できることもしばしば。
市場に出回っている製品自体の数が多いのも、この大幅な値下げに起因しているといえるでしょう。
最も出回っている商品だからこそ、安い。こうした理由も相まって370ℓは安く購入できる傾向にあるのです。
3-3. 節水・節電に効果的
2~4人家族で、しっかり節約をしたい方には370ℓ容量のエコキュートがおすすめです。
例えば3人家族で460ℓ容量のエコキュートを導入したらどうでしょうか。
湯切れの心配は少なくなりますが、3人分のお湯を沸かすのには少々タンクが大きすぎます。
タンクが大きすぎるということは熱効率が下がるということ。
つまり結果的に電気を余計に使ってしまうのです。
大きな容量で余裕を持って使うのもいいですが、世帯人数にぴったり合った容量のエコキュートを導入することでそのメリットが最大化出来ます。
3-4. オプションをつけやすい
370ℓ容量のエコキュートは本体価格自体が低コストなので、割安な分をオプション機能に充てやすい傾向にあります。
メーカーごとに色々なオプション機能が開発されており、どれも非常に便利なものばかり。
今までよりもワンランク上のバスライフを楽しみたい方にはオプション機能をつけるのもおすすめです。
メーカーごとのオプションや特徴
メーカーごとの様々なオプション機能を見ていきましょう。
4-1. 三菱電機
三菱電機のエコキュートは比較的割安で出回っているので人気です。
そしてオプション機能として注目されているのが「ホットあわ~」。これは浴槽内にマイクロバブルを発生させ、プツプツとした感覚を味わえる機能です。
気持ちがいいだけでなく保温・保湿効果にも優れているので女性やお子様にも人気の機能です。
4-2. パナソニック
パナソニックのエコキュートは太陽光発電との連携が出来ることで人気です。
さらにリズムeプラスというシャワーのオプション機能が注目されています。
これはシャワーの水流に一定のリズムと水量の変化を持たせることで、少ない水でも十分な水量を感じることが出来るという機能。
つまり節水に役立つ機能の1つです。快適さは普通のシャワーと変わらず、節水が出来るというのだからお得ですね。
4-3. ダイキン
ダイキンはエアコンを中心としたメーカーでありながら、エコキュート業界でも高いシェアを誇っているメーカーです。
人気のオプション機能は「マイクロバブル入浴」というもの。
これは微細な泡を浴槽内に放出し、体を包み込むように温めてくれる機能です。湯冷めの防止に効果的で、保湿効果も期待できます。
ちなみに特定の入浴剤も使用できることで人気です。
4-4. 東芝
東芝は無償での保証期間が業界内で最も長いことで人気のメーカーです。
東芝のエコキュートで最も評価の高いオプション機能は、「銀イオンの湯」。
これは銀イオンの力で残り湯を除菌・消臭するという機能です。これにより2日目のお湯でも快適に入れます。
また、これを利用して配管の洗浄も可能。常にお風呂を清潔に保てます。
4-5. 日立
エコキュートの難点ともいわれる「水圧の弱さ」を解決したメーカーがこちら。日立のエコキュートはなんといっても水圧が強いことで人気です。
水道直圧式という独自のシステムにより、勢いの衰えない強い水圧を実現。2階より上の階や、2箇所同時でお湯を使用しても全く問題ありません。
さらに日立のエコキュートのタンクは高い保温性でも評価されています。
4-6. コロナ
日本で初めてエコキュートを発売したのがこのコロナ。ユーザー目線に立った良心的な商品開発を常に心がけています。
コロナはとにかく省エネ基準達成率が高いのが特徴。122%という業界1位の省エネ基準達成率を誇っています。
さらに年間給湯保温効率の数値も高く、業界トップクラス。
効率よく熱を作り出し、お湯を供給するという基本的なシステムの精度がかなり高いメーカーです。
370ℓ容量のエコキュートを購入した人の口コミ
最後に、実際に370ℓ容量のエコキュートを購入した人の口コミを見てみましょう。
5-1. 良い口コミ
“以前のは460Lで今回は370Lにしたので純粋な比較はできませんが、お湯の減りは早いような気はします。冬場に3人家族で3人お風呂に入って一メモリ余るかな、くらいです。
電気温水器にかかっていた電気代はエコキュートに変えたことで冬場は3分の1ほど、夏場は5分の1ほどに減りました。全体的に満足です♪”(日立製エコキュート)
“今までが、370リットルで、湯温が不安定だったので少し心配しましたが、新しい物は超快適です。
男1・女2 の家族ですが、もう一人いても冬も大丈夫そうです。”(東芝製エコキュート)
“12年前は6人家族だったので460リットルタイプにして、湯量は常に余裕がありましたが、今現在5人家族になっているので370リットルタイプで十分と考えた。実際、風呂をわかしてもシャワーもたくさん使う人が2名いるが、おまかせ(学習)設定で湯量不足にはなることなく使えている。”(三菱製エコキュート)
5-2. 悪い口コミ
“太陽光発電を入れたので、買ってから15年になるガス給湯器からの買い替えで、今までのガス給湯器が10分程度で給湯できていたが、これだと20分程度になり給湯時間がかかるようになったのが難点。”(ダイキン製エコキュート)
引用元:https://review.kakaku.com/review/newreview/CategoryCD=V003/
まとめ
エコキュートの370ℓ容量モデルについてご紹介しました。
基本的に、2~4人家族の世帯ではこの370ℓ容量で問題なく使えるようです。
お湯の無駄がなく、価格も他のモデルより安いというメリットがあるので、是非検討してみてはいかがでしょうか。