個人宅のインターホンをならして行われる「訪問営業」。皆さんの家に、エコキュートの訪問販売営業が来たことはあるでしょうか。
実際のところ、「お得さや便利さを紹介されると、つい契約してしまうかもしれない。」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、話を聞いてそのまま契約をしてしまうというのはかなりリスクがあります。何の予備知識もなく比較もせずに契約した場合、結果的に損をしてしまうかもしれません。
ここからは、エコキュートの営業が来た際に契約するメリットやデメリット、エコキュートの予備知識をご紹介します。この記事を読めば、エコキュートの導入を検討している方も、正しい知識を知って賢く導入することができるでしょう。
エコキュートとは
訪問営業の人はよく、エコキュートを「お得」だといって売り込みます。実際、分からない人からしたら本当にお得なものなのだと納得せざるを得ません。
はじめに、エコキュートがどのような特徴を持つ給湯器なのか、簡単にご説明します。
1-1. 「電気温水器」よりもエコ
エコキュートと似て非なるのが「電気温水器」という一般的な給湯器。
両者は電気を使って動く点では同じです。しかし決定的な違いは、エコキュートは大気熱も利用するという点です。
むしろ大気熱を主な動力源として利用するエコキュートは、通常の「電気温水器」よりもエコなのです。
1-2. 夜間電力を使う給湯技術で低コスト
エコキュートがお得だと言われる一番の所以はここでしょう。
エコキュートは料金が安い夜間の電力を利用してお湯を沸かします。しかも夜の内に沸かしたものを日中にも使うことが出来るので、その分電気代を下げられるというメリットがあるのです。
ここが訪問営業で一番うたい文句とされるポイントでしょう。
訪問営業される前に知っておきたいエコキュートの価格
訪問営業での契約の一番のデメリットはなんといっても価格が高いことです。
営業マンの提示価格をうのみにするのではなく、まずはエコキュートの平均的な相場を知っておくことが大切なのです。
2-1. サイズにより異なる価格
エコキュートの価格はタンクのサイズによって異なります。もちろん世帯の人数が多い程、お湯を多く使うので大きなタンクが必要です。
一般的なのは、3~5人の世帯用として販売されている370L容量のタンク。このタイプのエコキュートは本体価格が30万円台~50万円程度です。
7人まで対応の470Lタンクのエコキュートでも、35万円~60万円程度が平均的な相場。
大体この程度の値段で本体を購入できるということを把握しておくだけでも十分な営業対策になるでしょう。
2-3. 機能により異なる価格
エコキュートは給湯のみの機能を持つものもあれば、自動で湯はりや追い炊き、保温なども行ってくれるフルオートタイプという種類もあります。
当然ながら便利機能が付けばそれだけ本体価格は高くなります。
訪問営業は無条件に一番高額なフルオートタイプをすすめてくるケースもありますが、必ずしもエコキュートは一種類ではないことを知っておきましょう。
2-4. 工事費
エコキュートを導入するとなると、給湯機の取り換え工事も行わなくてはなりません。
エコキュートを導入する時の工事費用の相場は10万円~15万円程度とされています。これは通常の給湯器交換と変わらない価格です。
訪問販売の営業は危険?
ではここから具体的な、訪問営業でエコキュートを購入することのデメリットをご説明していきます。
3-1. 訪問販売営業のエコキュートは値段が高い
訪問販売の営業マンと契約をしない方が良いとされる一番の所以はこれです。
大概の営業マンは「メーカー代理店」という立場でやってきます。メーカーの名前を出されると、なんとなく安いような気もしてしまいますがそれは間違い。代理店を通じている分、手数料が多く乗せられていることが大半です。
結果的に代理店の営業マンから購入すると、相場よりもかなりの高額で購入を強いられるケースが多いのです。
3-2. その場での契約を迫ってくる
訪問営業の場合、大概は急にやってきてその場での契約を迫ってきます。
資料だけ置いて帰ってくれれば、いったん落ち着いて考えることもできるでしょうが、そうもいきません。中には押し売りのような販売を仕掛けてくる営業マンも…。
考える余地がない状況は人間を焦らせ、追い詰めます。そして契約した後に料金の高さに気づくというケースも少なくありません。
3-3. 悪徳業者である可能性も
訪問営業のほとんどは、エコキュートを正当に販売している代理店でしょう。
しかし中には悪徳業者である可能性もあります。工事費に不要な料金を上乗せしていたり、クーリングオフが出来ないような契約書であったり、その手口は色々です。
その場で業者の口コミを検索する訳にもいきませんし、良い営業マンなのかそうでないのかは判断が付きません。
訪問販売の営業マンがよく言うエコキュートのうたい文句は本当?
次に、エコキュートの訪問営業でよくあるうたい文句について見ていきましょう。営業マンの常套句は本当なのか嘘なのか、事前に知っておけば営業対策になります。
3-1. 月々の電気代が安くなる
エコキュートは確かに夜間電力を優先して使用するので、月々の電気代は安くなる傾向にあります。
一般的に、「電気温水器」からエコキュートに交換すると電気代は3分の1程度になるとされています。
しかし、どの程度安くなるかというのはやはりライフスタイルにもよります。
朝や日中に多くお風呂に入る方やお湯を使う方は、エコキュートを導入しても昼間の電力で沸き増しをせざるをえない場合もあるのです。
電気代は総合的に見て安くなる可能性が高いですが、自身のライフスタイルに合っているかというところまで検討が必要になります。
3-2. 平均価格での販売
営業マンが提示価格を「平均価格」または「相場」と言うことは少なくありません。しかし、多くの場合これは嘘です。
エコキュートの平均的な価格は先ほどご紹介した通り。それにたいして、ほとんどの場合はかなりの金額を上乗せして提示してきます。実際にあった訪問営業の例では、エコキュートの本体価格が100万を超えていたというものもあります。
営業マンのいう「平均価格」はうのみにしないようにしましょう。
3-3. 初期費用0円
これもいかにもお得に聞こえますが、見るべきはトータルの明細書です。結果的に100万円以上といった高額な価格になっていることが多数。
そもそもエコキュートの導入にかかるのは、本体価格と工事費用のみです。その他にあっても、予備の部品や保証制度くらいのものでしょう。
こうしたうたい文句をされた場合は、まず初期費用がそもそも何を指すのか、ということの確認が必要です。漠然とした営業トークに騙されてはいけません。
3-4. 当日契約すれば大幅値引き
これもエコキュートの営業マンがよくいうセリフです。エコキュートは非常に高額な買い物なので、焦ってするものではありません。
また、値引きがどうしても魅力的に見えてしまいますが、訪問営業の価格はそれでも元が取れるように設定されています。
つまり値引きといっても高いことは高いのです。値引きに惹かれて当日契約するのはおすすめしません。
3-5. エコキュートはとにかく便利
営業マンはエコキュートの便利な側面をしきりに説明します。知らない人にとっては非常に便利にも思えるでしょう。
しかしエコキュートといえどデメリットはあります。湯切れのリスクや、お湯が出るまでに少々時間がかかるなどなど…。
デメリットを知らない状態でエコキュートの契約をするのは得策ではありません。
3-6. 全てオール電化にするとよりお得
エコキュートの導入ついでに、オール電化への変更を促してくる営業マンもいます。
オール電化ということは、暖房もキッチンも全てを電気に一本化するということです。そもそもそんな大規模な話は訪問されたその日に決められるものではありません。
またオール電化にしたからといって全てが便利で低コストになる訳でもないのです。それ相応の交換工事費用がかかり、初期費用はかなりの高額になります。
電気というライフラインが止まれば生活できなくなるリスクもありますし、一概に便利ともいえません。
オール電化についてはエコキュート以上にじっくりと検討の時間が必要です。
訪問販売の営業が来たら
それでは訪問営業がもし家に来た時の対応についてまとめます。
4-1. 話を聞く必要はなし
訪問営業は「お宅の給湯器が古い」などといった切り口で突然やってきます。
時に「壊れるかもしれない」といった営業トークもしてきますが、それをうのみにする必要はありません。ましてや家に上げて話を聞いてしまったら、営業トークが延々と続くでしょう。
もし、よほど現実的に「訪問営業が来たらエコキュートを買おう!」という意思が無ければ話を聞く必要すらないのです。
4-2. その場で契約しない
営業マンのセールストークはかなり饒舌で、いかにもエコキュートに今すぐ変えなくてはいけないような気持にさせてきます。
しかし、その場で契約するのは絶対にNG。提示価格が適正か、業者自体が安全か、一度色々なことを確認する必要があります。
もし迷ったら「一度検討させてください。本日は契約できません。」ときっぱり言ってしまうのが吉です。
契約してから後悔したり、面倒なクーリングオフなどをしなくても済むようにしましょう。
お得にエコキュートを購入できるのは?
では結局のところエコキュートをお得に買えるのはどこなのでしょうか。
5-1. インターネット
近年ではネット上にエコキュートの販売窓口を設けているお店も増えています。店舗がなく、通販のような形でエコキュートを販売している営業形態のお店です。
こうしたお店では比較的安価でエコキュートを購入できる傾向にあります。また口コミなども調べやすく、安全なお店を自分で探すことが出来ます。
5-2. 家電量販店
家電量販店での購入もおすすめです。平均的な価格で販売しているお店がほとんどで、訪問営業のような法外な価格を提示してくることはあまりありません。
営業スタッフと対面での話し合いになるので色々なことを質問出来る上、値引き交渉も可能。
契約をせかされることも無いので情報収集がてら足を運ぶだけでも収穫があるかもしれません。
まとめ
エコキュートの訪問営業対策についてまとめました。
事前の予備知識と、営業対策を知っておくことでいざというときに焦らず済みます。
是非今回ご紹介した内容を参考に、お得なエコキュート購入を検討してみてはいかがでしょうか。