エコキュートはエコ性能が高いだけでなく、自身の不具合を検知して使用者に知らせることができます。このお知らせを「エラーコード」と呼びます。
実際のところ、エラーコードが出たらどのように対処すべきかご存知でしょうか?
エラーコードが出た場合、そのコードに合わせて速やかに対処すべきですが、よく知らずに慌てて対処してしまうと危険も伴います。また、自分では修理できないコードが出る場合もあるのです。
今回は、中でも「F27」というエラーコードに注目。このコードが出たら何をすればいいのか、また修理にはどのくらいの費用がかかるのかご説明します。
突然のエラーコードにもあせらず、適切に対処をしてエコキュートを長く使いましょう。
エコキュートのF27エラーコード
そもそもエコキュートのエラーコードとは何なのでしょうか。ここからはエラーコードの役割や、F27エラーコードの示す意味と原因についてご紹介します。
1-1. エコキュートの故障はエラーコードで分かる
エラーコードとは、エコキュートの不具合や故障を知らせるためのサインです。1つのエコキュートに対して20種類以上のエラーコードが設定されています。
どのエラーコードが出るかによって、エコキュートの不具合の内容が異なるのです。
ちなみにお使いのエコキュートにどんなエラーコードがあるかは、取扱説明書を見れば分かります。エラーコードごとに原因と対処法が記載され、その通りに対処すれば問題ありません。
1-2. F27はパナソニック製エコキュート限定のエラーコード
エラーコードはメーカーによって、独自に設定されています。つまり日立とダイキンでは、エラーコードもその意味も全く異なるのです。
F27は、パナソニック製のエコキュートでのみ表示されるエラーコードです。他社製品の場合は、同じエラーでも違う文字列のエラーコードが表示されます。
1-3. F27は「圧力スイッチ異常」のエラーコード
F27は「圧力スイッチ」という部品の異常が感知されたときに表示されるエラーコードです。圧力スイッチを交換することでエラーを解除できるケースがほとんどです。
しかしまれに基盤全体、もしくはヒートポンプユニット全体の交換が必要な場合もあります。
また、単なる接触不良や誤信号でF27が表示されることもあります。その場合、エコキュートをリセットすればエラーコードが消えます。
1-4. 圧力スイッチとは…
圧力スイッチとは、エコキュートのヒートポンプユニット内にある部品です。通常は作動することがなく、圧力異常があった時にのみ作動します。
そのためF27が表示されているときは、水圧やガス圧の異常が考えられます。
ちなみに圧力スイッチは、ヒートポンプユニットの中でも10MPa(約100Kgf/㎠)を超える高圧側に設定されており、比較的壊れやすい部品の1つです。
1-5. F27エラーコードが出ると…
F27エラーコードが出ると、新たにお湯を沸かすことができなくなります。
貯湯タンク内に残湯があればそれを使ってしのぐことができますが、残湯がない場合はお湯が全く出ない状態になります。
冬場には特に不便な状況になるので、すみやかな対処が必要です。
1-6. F27エラーコードの原因
F27エラーコードが表示されるとき、以下のような原因が考えられます。
- 圧力スイッチの故障や異常
- 基盤の故障
- 誤信号
特に多いのは1.の圧力スイッチの故障や異常です。この場合、自身で修理することはできません。メーカーもしくはエコキュートの修理専門業者に依頼し、点検をしてもらう必要があります。
また2.のように基盤自体が故障している場合は、基盤全体を交換する必要があります。
そして3.の誤信号は、何らかの外的要因でエコキュートが表示するエラーコードを間違えたときに起こります。この場合はエコキュートを一度リセットすれば、通常通りに運転を始めます。
エコキュートのF27エラーコードへの対処法
ではF27エラーコードが表示されたらどのような手順で対処すればよいのでしょうか。ここからは具体的な対処法についてご紹介します。
2-1. エコキュートのリセット
F27の原因として考えられるものの中でも、唯一自分で対処できるのが「誤信号」です。誤信号が原因の場合、エコキュートをリセットすれば正常通り稼働します。
まずは一度、エコキュートをリセットしてみましょう。手順は以下の通りです。
- エコキュートの漏電遮断器を「切」にする
- 1~2分待ち、漏電遮断器を「入」に戻す
漏電遮断器とは、いわゆるエコキュートの電源です。このスイッチは、エコキュートの貯湯タンクについています。貯湯タンクの側面にはカバーがついた部分があり、そこを開けると漏電遮断器があります。
詳しい位置は製品によって若干異なるので、取扱説明書を見るなどしてください。
このリセットを行った後、しばらく様子を見ます。エラーコードが完全に消え、そのまま使えるようなら単なる誤信号によるエラーだったと考えられます。
その後は通常通り使用して、問題ありません。ただし、一度エラーコードが消えても再びF27が表示されたら、本格的な点検と修理が必要です。無理にリセットを繰り返さないようにしましょう。
2-2. エコキュート専門業者による点検・修理
リセットでエラーコードが消えない場合は、専門業者に点検と修理を依頼するしかありません。
まずは、エコキュートのメーカー保証期間内かどうか確認しましょう。保証期間内なら修理費用は一切かかりません。
メーカーに直接問い合わせれば、修理業者を手配してくれます。もしメーカー保証期間を過ぎている場合は、自身でエコキュートの修理業者を選びましょう。
今まで利用したことのない修理業者に依頼する場合は、事前に評判や口コミをよく見てから依頼することをおすすめします。
また業者に来てもらうまではエコキュートの電源を切り、むやみに使わないようにしましょう。
2-3. 自分で修理はできない
F27エラーコードに対する修理は、自身で行うことは出来ません。
エコキュートのヒートポンプユニットの内部を操作することは、素人にとって非常に危険です。自分で修理を試みると、思わぬケガにもつながりかねません。
必ず専門業者に点検と修理を依頼してください。
F27エラーコードの修理費用
修理において、気になるのがその値段です。ここからは、F27エラーコードの点検、修理を業者に依頼したときの費用について詳しくご説明します。
3-1. 点検と圧力スイッチの修理で約2万円
圧力スイッチだけを修理すれば事足りる場合、修理費用は2万円程度です。これには点検費用や技術代なども含まれています。
場合によって、この2万円に加えて出張費が別途かかることもあります。
業者に依頼する際には、エラーコードと症状を伝え、大体どのくらいの修理費用になるか聞いておきましょう。それから現場に来てもらい、修理を進めると安心です。
3-2. 基盤の交換費用は4~5万円
圧力スイッチの問題ではなく、基盤そのものが故障しているケースもあります。その場合基盤を丸ごと交換する必要があり、費用は約4~5万円です。
F27エラーコードの修理では基盤交換が必要になる可能性もあるので、予算は多めに用意しておくと安心です。
3-3. ヒートポンプユニットの全体交換は約20万円
場合によっては修理ではどうにもならず、ヒートポンプユニット全体を交換する必要があるかもしれません。その場合、かかる費用は約20万円です。
ヒートポンプユニットの交換はかなり高額になります。20万円は、エコキュートを丸ごと交換できる金額です。
そのため、年数の経っているエコキュートならヒートポンプだけでなく、エコキュート全体を交換してしまうのもアリでしょう。
ちなみに、エラーコードや症状を聞いただけでヒートポンプの交換を持ちかけてくる業者には要注意です。
先ほどもご紹介した通り、F27エラーコードは複数の原因が考えられ、原因によって修理方法も異なります。F27エラーコードへの対処は、必ずしもヒートポンプユニット全体の交換だけではありません。
点検もせずにヒートポンプユニットの全体交換を勧めてきた場合は一度断り、他の業者に再度点検を依頼することをおすすめします。
3-4. 保証期間内なら無料
エコキュートの修理は、保証期間内であれば無料です。
パナソニックのエコキュートは、本体が1年、ヒートポンプユニットが3年、貯湯タンクが5年という保証期間があります。また、これに有償で延長保証を付けることも可能です。
有料で業者に修理を依頼する前に、今一度ご自身のエコキュートの保証期間をご確認ください。
まとめ
エコキュートのF27エラーコードについてご紹介しました。
F27エラーコードはパナソニック独自のエラーで、圧力スイッチという部品の異常です。
ただしまれにエコキュートをリセットすることでエラーが消える場合もあります。
ぜひ今回ご紹介した方法で、適切な対処を試みてください。