エコキュートの故障は突然やってきます。エコキュートは、故障や不具合を発生すると、「エラーコード」をリモコンに表示します。
実際にこのコードが表示されると思わず驚いてしまうことも。
しかし、エラーコードはエコキュートを修理するための大切な手掛かりです。それを知っていると焦らずに落ち着いて対応することができます。エラーコードは、エラーの内容に応じて、エコキュートのどこが不調を起こしているのか分かる仕組みになっています。しかしエラーコードの数は多く、全てを把握することは難しいでしょう。
ここからは、エラーコードの中でも「FA」というコードに注目。FAが何を意味するのか、そしてどう対処したら良いのか解説していきます。この記事を読めば、どのように対処すればあなたにとって適切かが理解できることでしょう。
エコキュートのFAエラーコードについて
まずエラーコードとは何なのか、そしてFAが何を示すエラーコードなのか見ていきましょう。
1-1. FAはダイキン製エコキュート特有のエラーコード
実は、FAというエラーコードは全てのメーカー共通のエラーコードではありません。エラーコードはメーカーごとに設定されているので、使われる文字も意味も全てメーカーごとに異なります。
ではFAはというと、ダイキン製エコキュートのエラーコードです。FAというエラーコードはダイキンでしか使われていません。
FAの意味や対処法は、ダイキンの公式ホームページやダイキン製エコキュートの取扱説明書にも掲載されています。
1-2. FAは「電気系統部品」のエラーコード
ではFAは一体どんなエラーコードなのでしょうか。
ダイキンの公式ホームページでは、「電気系統部品」の故障によって表示されるエラーコードだと記載されています。
エコキュートの内部には、電気系統の部品が多数あります。例えば基盤や各種スイッチ、電気膨張弁、わき上げポンプなど。
FAが表示されているということは、こういったもののいずれかが不具合を起こしている可能性があります。
ただし、それぞれの正常な動作を感知するセンサーが故障しているといったケースもあります。単なる接触不良や一時的なエラーにより、FAは表示されることも少なくないのです。
つまりFAが表示される根本的な原因は、一般の利用者には非常に分かりにくいといえます。
1-3. FAエラーコードが出るとどうなる?
FAエラーコードが表示されると、新たにお湯を作ることができなくなってしまいます。追い炊きはもちろん、わき上げやわき増しができません。
タンク内に残り湯が残っていない限りは、お風呂に入れないという事態が発生します。冬場の場合、特に水道からもお湯が出なくなるのは辛いです。
そのためFAエラーコードが出たら、できるだけ迅速に適切な対処をすることが必要です。必要に応じて、修理業者を呼ぶことも視野に入れましょう。
場合別!エコキュートのFAエラーコードの適切な対処法
再びエコキュートを通常運転させるためには、まずFAエラーコードを解除する必要があります。
では具体的に、FAエラーコードを復旧させるにはどうすればよいのでしょうか。ここからは場合別に対処法をご紹介します。
2-1. 断水している場合
家全体が断水している場合、エコキュートが故障していなくてもFAエラーコードが出る場合があります。
水道からお湯だけでなく水も出ない場合は、断水が疑われます。断水しているときのエラーコード解除方法は以下の通りです。
- 給水止水栓を閉める
- 断水が終わるのを待つ
- 断水が終わったことを確認して、給水止水栓を開ける
- エコキュートをリセットする
給水止水栓は、エコキュートの貯湯タンク下部についている栓です。位置や形状は製品によって異なります。
これを断水の間閉めておくことで、配管の内部に泥水などが入ることを防ぎます。あとは断水が終わるのを待つのみ。
断水が終了したら再び給水止水栓を開いて、エコキュートを再起動(リセット)するとFAが解除できます。エコキュートのリセット方法は後ほどご紹介します。
2-2. 配管が凍結している場合
配管が凍結している場合においても、FAが表示されることがあります。この場合、配管を解凍すれば再び正常に使えるようになる可能性があります。
配管が凍結している場合の対処法は以下の通りです。
- お湯側の蛇口を少し開き、解凍されるのを待つ
- 翌日の昼ころまで待ち、自然な気温で解凍する
もし時間が無い場合は以下の方法でも解凍が可能です。
- 凍っている配管にタオルを巻き、ぬるま湯をかける
- お湯が出たらかけたぬるま湯をふき取る
このとき、熱湯をかけると配管が破裂してしまうので注意しましょう。またお湯は、配管の保温材の巻かれていない部分にかけます。
さらに、配管ではなく本体内部が凍結している場合にはお湯をかける方法は使えません。その場合は自然に解凍されるのを待つか、ダイキンもしくは修理業者に相談しましょう。
2-3. 上記以外の場合はエコキュートをリセット
エコキュートの凍結も断水の可能性も無い場合は、一度エコキュートをリセットしてみましょう。
エコキュートをリセットすることで、エラーが解除されて再び使えるようになる場合もあります。
2-3-1. エコキュートをリセットする方法
エコキュートのリセット方法は以下の通りです。
- エコキュートの漏電遮断器を「切」にする
- 1~2分待ち、漏電遮断器を「入」に戻す
リセットの手順はこれだけです。
漏電遮断器は、いわゆるエコキュートの電源にあたるスイッチです。これを一度切り、しばらくしてまた入れることでエコキュートの再起動ができます。
リセットすると、リモコンからピピッという音がしてFAの文字が消えます。その後、お湯が出るかどうか試してみましょう。
2-3-2. エコキュートをリセットするときの注意点
エコキュートのリセットは、何度も行う必要はありません。
一度リセットして再び同じエラーが出る場合は、専門的な修理や部品交換が必要なケースがほとんどです。何度もエコキュートをリセットすることは、本体に大きな負担をかけるので控えましょう。
また、エコキュートをリセットすると設定や学習記録が初期化されます。そのためリセット後にはまず現在時刻を設定しましょう。
湯量の記録などは、一週間かけて自動で新しく計測しなおすので問題ありません。「初期学習中」という文字がリモコンに表示されますが、故障ではありません。
2-3-3. リセット後もFAが表示されてしまうときは…
リセットを試してもFAのエラーコードが消えない場合は、エコキュートの点検と修理が必要です。
修理を依頼する際は、お使いのエコキュートが保証期間内かどうかを確認しましょう。
保証期間内であれば、メーカーの修理が無償で受けられます。ちなみにダイキンのエコキュートの保証期間は以下の通りです。
- 本体1年
- 冷媒系統3年
- 貯湯タンク5年
これに加えて、ご自身で追加料金を支払えば延長保証が付けられます。
エコキュートが保証期間内かどうか分からない場合は、購入した販売店もしくはメーカーに問い合わせましょう。
2-4. エコキュート専門業者による点検・修理
保証期間内を過ぎていた場合、エコキュートの専門業者に修理を依頼するのも良いでしょう。場合によってはメーカーに直接修理を依頼するよりも、業者に依頼した方が安く済むこともあります。
エコキュート専門業者を選ぶ場合は、複数社を比較検討することをおすすめします。
価格の安さだけでなく、対応の早さや丁寧さなどといった口コミもチェックしておくと安心です。中には即日修理をしてくれる業者もいるので、急ぎの場合はこうした業者を選ぶと良いでしょう。
FAエラーコードの修理費用
最後に、FAエラーコードを修理する際にかかる修理費用の目安をご紹介します。
3-1. メーカーが提示する修理費用の目安は3~4万円
FAエラーコードは、点検をするまでどこの部品が故障しているのか分かりません。
故障が考えられる部品はサーミスタ・ポンプ・基盤・スイッチ・冷媒系統部品など、多岐にわたります。そのため故障している箇所によって、修理費用も異なります。
ただし、ダイキンが公式ホームページで提示している修理費用の目安は約3~4万円とされています。
3-2. 故障部品によっては修理が高額になる場合も…
とはいえ複数の部品が壊れていたり、高額な部品の交換が必要な場合には修理費用が4万円ではおさまらないケースもあります。いくらかかるか分からないまま修理を依頼するのは、非常に不安です。
そのため、まずは点検後に修理の見積もりをもらいましょう。あまりに高いと感じたら別の修理業者に点検を依頼し、相見積もりするのもおすすめです。
また、20万円以上の高額な修理が必要となる場合はエコキュートを丸ごと買い替えてしまうのも1つの手段としておすすめです。
まとめ
エコキュートのFAエラーコードについてご紹介しました。
FAは原因の特定がしにくい、複雑なエラーコードです。
凍結や断水が原因でなければ、自身でできる対処法は主にリセットのみです。
もしリセットをしてもなおFAが表示され続ける場合は、すみやかにメーカーかエコキュート専門業者に修理を依頼しましょう。