ダイキンのエコキュートは故障や不具合があると、リモコンに「エラーコード」と呼ばれる文字列を表示します。皆さんはエラーコードが表示された経験はあるでしょうか。
実際のところ、「エラーコードが出たけど、どうすればいいか焦ってしまった…」という方も少なくありません。
エラーコードの一覧はエコキュートの取扱説明書に掲載されており、コードに応じて原因や対処法が異なります。しかし、場合によっては取扱説明書の指示だけでは対処しきれない場合もあるのです。
ここからはエコキュートの「J3」というエラーコードに焦点を当てて、対処法や万が一の時の修理費用について詳しくご紹介します。この記事を読めば、どのようにすれば効率よくエコキュートを使い続けられるかが理解できることでしょう。
エコキュートのJ3エラーコードとは
まずはJ3というエラーコードが何を意味するのか、ご説明します。
1-1. J3はダイキン製エコキュート特有のエラーコード
エラーコードは、メーカーが独自に設定しています。そのため、エコキュートのメーカーごとにエラーコードは異なります。
また同じ文字列のエラーコードでも、メーカーが違えば症状の内容も異なるのです。「J3」は、ダイキン製のエコキュート特有のエラーコードです。
そのため原因や対処法を探るには、ダイキンのホームページを見るかダイキン製エコキュートの取扱説明書を見るしかありません。
1-2. J3は「ヒートポンプユニット」のエラーコード
J3はヒートポンプ内に異常がある場合のエラーコードです。
ヒートポンプとは、エコキュートのモーターや基盤が内蔵されている本体の部分を指します。エアコンの室外機のような見た目をした装置です。
ヒートポンプユニットの中でも特にJ3が表示されている場合は、温度を計測する「サーミスタ」という部品もしくは「基盤」そのものの故障であることが多いとされています。
ヒートポンプ内では、基盤を通じてあらゆる信号が行き交います。そして信号に従って大気熱が取り込まれ、それが圧縮されて高温の熱を生み出します。この熱が水に伝達されることによって、お湯ができる仕組みです。
このようにヒートポンプユニット内では精密な部品が絶えず作動しています。J3はその中のサーミスタもしくは基盤に不具合があることを知らせるエラーコードなのです。
1-3. J3エラーコードが出るとどうなる?
J3エラーコードはお風呂のリモコンに表示されます。エラーコードの表示と同時に、「警報」という文字が表示される製品もあります。
こうした状態になってしまうと、エコキュートはわき増しや追い炊きなどができません。残湯があればそれを使うことができますが、残湯が無い場合はお湯が一切でなくなってしまいます。
再びエコキュートを正常に使用するには、まずこのエラーコードを解除しなくてはなりません。
このように、J3が表示されるとお風呂が使えなくなってしまうので早急な対処が必要です。
場合別!エコキュートのJ3エラーコードへの対処法
それでは早速、エコキュートのJ3エラーコードへの対処法をご紹介します。
J3エラーコードへの対処法は、そのときの状況に応じてパターン分けすることができます。場合別にご紹介するので、ご自身の状況に当てはまるものをご参考にしてください。
2-1. 断水している場合
J3エラーコードは、工事や災害、点検などで断水していることが原因で表示される場合があります。この場合は、断水が終了するまで「給水止水栓」を閉じましょう。
これは水道管に泥水などが入ってこないようにするためです。ちなみに給水止水栓は貯湯タンクの下部についている栓です。
詳しい位置は製品によって異なるので、取扱説明書かダイキン公式ホームページでご覧ください。
断水が終了したら再び給水止水栓を開きます。その後エコキュートをリセットして下さい。リセットの方法は後程ご紹介します。
2-2. 給水止水栓が閉じている場合
給水止水栓の開け忘れが原因で、J3エラーコードが出ている可能性があります。J3エラーコードが出たら給水止水栓が閉じていないか、確認しましょう。
給水止水栓は先ほどご紹介した通り、エコキュートの貯湯タンク下部にあります。これを開けた状態にして、エコキュートをリセットします。リセット方法については後程ご紹介します。
2-3. 配管が凍結している場合
配管の凍結が原因でJ3エラーコードが出る場合があります。極端に気温が低い場合は凍結の可能性が考えられるので、気温が上がって解凍されるのを待ちましょう。
もし凍結している配管が特定できる場合は、凍結箇所にぬるま湯をかけて溶かすという手もあります。
そして解凍できたら、一度エコキュートをリセットしましょう。リセット方法については後程ご紹介します。
2-4. それ以外の場合はエコキュートをリセット
ここまで場合に応じた対処法をご紹介しましたが、いずれにしてもエコキュートのリセットが必要です。
また上記の場合に当てはまらなくても、エコキュートを一度リセットするとエラーコードが解除されるケースがあります。
原因に心当たりがない場合にも、一度リセットをお試しください。
2-4-1. エコキュートをリセットする方法
エコキュートのリセット方法は以下の通りです。
- エコキュートの漏電遮断器を「切」にする
- 約5分待ち、漏電遮断器を「入」に戻す
エコキュートのリセットはたったこれだけの手順でできます。
ちなみに、漏電遮断器はエコキュートの貯湯タンク側面にあるスイッチです。通常は蓋でカバーされているので、リセットする際はその蓋を開きます。
漏電遮断器の詳しい位置は製品によって異なるので、取扱説明書もしくはダイキンの公式ホームページでご確認ください。
このリセットを行うと、リモコンから「ピピッ」という音が鳴ります。その後、J3の文字と警報という文字がリモコンから消えればリセット完了です。
2-4-2. エコキュートをリセットしたときの注意点
エコキュートをリセットすると、現在時刻や今まで計測したお湯の量などが全て初期化されてしまいます。リセット後はまず時刻を設定し直してください。
またリセット後一週間はリモコンに「初期学習中」という文字が表示されます。これはエコキュートが、再びお湯の使用傾向を計算しているためです。特に故障などではありません。
2-4-3. リセット後もJ3が表示される場合は…
リセットしてからしばらくして、再びJ3エラーコードが出る場合は内部の故障が考えられます。
その際は修理が必要になるので、メーカーかエコキュートの修理専門業者に相談しましょう。
2-5. エコキュート専門業者による点検・修理
J3が繰り返してしまう場合は、修理が必要です。修理はメーカーに直接依頼するか、エコキュートの修理専門業者に依頼するか選択できます。
まずはお使いのエコキュートの保証期間を確認しましょう。エコキュートが保証期間内であれば、メーカーの修理が無料で受けられます。
ちなみにダイキンのメーカー保証期間は以下の通りです。
- 本体1年
- 冷媒系統3年
- 貯湯タンク5年
J3のエラーコードの場合、本体もしくは冷媒系統の故障が考えられます。使用し始めてから3年以上が経過している場合は、保証期間外の可能性が高いでしょう。
また、ダイキンは有償で保証期間を延長することも可能です。こうした延長保証を付けている場合は、3年以降も保証を受けられる可能性があります。
ただし保証期間を過ぎている場合は、修理費用が自己負担となります。メーカーの修理よりも安く依頼できるエコキュート専門業者も多いので、ぜひ探してみてくださいね。
J3エラーコードの修理費用
続いてJ3エラーコードを修理した場合の費用についてご紹介します。
3-1. 基盤の修理は4~5万円
基盤の故障が原因でJ3エラーコードが出ている場合、基盤交換の修理が必要です。基盤の交換にはおよそ4~5万円の費用がかかります。
基盤交換となると本体を業者が持ち帰り、修理することも少なくありません。その場合は代替機を借りてお湯を沸かします。
3-2. サーミスタの修理費用は2~3万円
温度を感知するサーミスタの故障が原因でJ3エラーコードが出ている場合、センサーの修理や交換が必要です。その費用はおよそ2~3万円。
基盤の交換よりは安く収まるのが特徴です。
3-3. ヒートポンプユニットの全体交換は約20万円
場合によっては全体的な劣化が進んでおり、ヒートポンプユニットを丸ごと交換せざるを得ないケースもあります。この場合は、全体交換にかかる費用はおよそ20万円です。
ちなみにこの金額なら、新しいエコキュートへの買い替えも夢ではありません。
古いエコキュートにお金をかけて修理するよりも、現在のエコキュートを下取りに出して新しいものに買い替えるというのも手でしょう。
まとめ
エコキュートでJ3エラーが出たときの対処法についてご紹介しました。
J3エラーコードには、場合に応じた対処が必要です。そしていずれの場合にも、リセットを行いましょう。
それでも直らない場合は修理の依頼が必要です。
メーカーではなくエコキュートの修理業者に依頼する場合は、よく業者を比較検討したうえで決定することをおすすめします。