その名の通り、エコ性能が高い給湯器「エコキュート」。皆さんは、そのエコキュート にエラーコードが出た場合、どのように対処すべきかご存知でしょうか?
実際のところ、何か不具合が出た時に「どうすればいいか分からない…」と焦ってしまう方も多くいらっしゃいます。
エラーコードは、何らかの故障や不具合を表すもの。このエラーコードについてあまり知らずに過ごしてしまうのはかなり危険です。エコキュート は日々のお湯の量を計算して自動で湯沸かしをしてくれるなど、非常に便利な給湯器ですが、エラーの対応を間違えると様々なリスクが発生してしまう場合も。
ここからは、そんなエラーコードの中でも「H57」というエラーを徹底解説していきます。この記事を読めば、どのようにすれば適切な対処ができるのかが理解できることでしょう。
エコキュートのH57エラーコード
まずはエコキュートのH57エラーコードの示す意味や、その原因についてご説明します。
1-1. エラーコードはエコキュートのSOS
エコキュートは何らかの不具合が発生すると、リモコンにエラーコードを表示します。
エラーコードはアルファベットと数字で構成されます。例えば「H57」といった具合です。この文字列が示す不具合の内容は、取扱説明書に記載があります。
また、エラーコードはエコキュートメーカーによって異なります。つまりメーカーによって採用しているエラーコードと、その意味が違うのです。
エラーコードの意味を調べる時には、ダイキンならダイキン、三菱なら三菱のエラーコード一覧表を見る必要があります。
1-2. H57エラーコードはダイキンとパナソニック製エコキュートのコード
H57はダイキンとパナソニックのエコキュートに共通するエラーコードです。またH57が示す症状も、両者同じものととらえて問題ありません。
1-3. H57は「中間混合弁異常」のエラーコード
H57はエコキュートの内部にある「中間混合弁」という部品の異常を示すエラーコードです。
中間混合弁がお湯側、水側、どちらに動いても、その位置を検出できないというエラーコードです。
1-4. 中間混合弁とは…
中間混合弁はエコキュートの貯湯タンク内、上部にある部品です。混合弁という名前の通り、適宜弁を開閉させてお湯と水を混ぜます。
エコキュートは熱いお湯と水をタンク内で混ぜることで、設定温度通りのお湯を作ります。
この混ぜる作業を、中間混合弁が担っているのです。つまり中間混合弁が壊れると、適温のお湯を供給できなくなってしまいます。
1-5. H57エラーコードが出ると…
H57エラーコードが出ると、水道やシャワーからお湯が出なくなる症状が見られます。
一方、浴槽の給水口からの湯はりはできる場合も。これは一体なぜなのでしょうか。
エコキュートのタンク内に混合弁は2種類あります。お風呂に直接お湯をはる風呂側の混合弁と、シャワーや水道へお湯を送る給湯側の混合弁です。
H57のような中間混合弁異常の場合、不具合があるのは給湯側の混合弁です。
つまり直接お風呂にお湯を送る、風呂側の混合弁は使えます。結果的に、湯はりのみが使えるという症状になるのです。
1-6. H57エラーコードの原因
H57エラーコードは何故起こるのでしょうか。考えられる原因は主に以下の3つです。
- 中間混合弁の故障
- リード線やコネクタ線の接触不良
- 基盤の故障
1.の場合、中間混合弁が劣化などにより故障している可能性があります。混合弁は経年劣化により、弁の開閉がしにくくなることがあります。
また、2.のように中間混合弁周辺の線の接触不良も考えられます。
中間混合弁にはリード線やコネクタ線といった線が繋がっています。これらが抜けていたり、ゆるんでいたりすると混合弁が正常に作動しません。
また3.のように、基盤そのものが故障している場合もあります。
基盤は、中間混合弁に対して設定温度の指示を出す部品です。中間混合弁は基盤からの指示によって弁を開閉させ、適温のお湯を作ります。
この基盤がそもそも壊れている場合、中間混合弁が正常に稼働しないのは当然です。ただしH57エラーで、基盤そのものが壊れていることは少ない傾向にあります。
エコキュートのH57エラーコードへの対処法
続いてH57エラーコードへの適切な対処法をご紹介します。
2-1. エコキュートのリセット
H57エラーコードが出たときに、自分で試せる対処法はただ1つ。エコキュート本体のリセットです。リセットは以下のような手順で行います。
- エコキュートの漏電遮断器を切る
- 1~2分したら再び漏電遮断器を入れ直す
つまり電源を落として、再び入れるだけです。漏電遮断器はエコキュートにおいて、電源と同じ役割を持ちます。
ちなみに漏電遮断器はエコキュートの貯湯タンクの側面についていることが多いです。普段はカバーがされているので、それを開けて再稼働させてみましょう。
2-2. エコキュート専門業者による点検・修理
エコキュートをリセットしてもエラーが消えない場合は、専門的な点検と修理が必要になります。信頼できる修理業者に、点検と修理を依頼しましょう。
エコキュートの修理は、メーカーに直接問い合わせなくてもあらゆる業者がいます。
近所ですぐ来てくれそうなエコキュートの修理業者があれば、そこに頼むのも良いでしょう。また、設置を担当した業者に依頼するのも1つの手です。
2-3. 中間混合弁の点検・交換
修理業者はまず中間混合弁が壊れていないかどうか、点検を行います。H57エラーコードの場合、ほとんどがこの中間混合弁の故障によるものです。
多くの場合は経年劣化などで中間混合弁が壊れており、部品の交換を伴う修理になります。
2-4. 中間混合弁のリード線やコネクタ線の見直し
修理業者は中間混合弁の配線も見直します。万が一、コードが抜けていたりすると中間混合弁本体が問題なくても、エラーコードが出てしまいます。
リード線やコネクタ線がゆるんでいれば、再度入れ直します。
2-5. 基盤の点検・交換
中間混合弁も、接続も問題ない場合、考えられるのは基盤の故障です。
基盤はエコキュートのタンク全体の電子回路として機能している部品の1つ。つまりこれが故障しているとなると、大掛かりな交換工事が必要となります。
基盤は水に濡れたりすることで故障しやすい部品です。装置の内部でお湯がもれていたり、タンクの内部を開けた際に雨がかかってしまったりすると故障するリスクがあります。
2-6. 自分で修理するのは危険
ネットでH57エラーコードについて調べると、中には自身で中間混合弁を交換している人もいます。しかし、一般的にH57エラーは専門業者に任せるべき不具合です。
というのも、貯湯タンクの中を素人が開けるのは非常に危険なのです。手順を間違えると、熱湯が噴き出す危険性もあります。
さらにそのお湯で、正常だった基盤を故障させてしまうリスクも。そのせいで多額の修理費用がかかっては元も子もありません。
そのため一刻も早く直したいと思っても、エコキュートの専門業者が来るのを待ちましょう。
H57エラーコードが消えるまでの対処法
ではエコキュート修理業者がH57エラーコードを直してくれるまでは、どのように過ごせばいいのでしょうか。対処法をご紹介します。
3-1. 浴槽からお湯を取る
H57エラーコードが出ても、お湯が全く出なくなるわけではありません。お風呂の湯はりは問題なくできることがほとんど。
つまりシャワーが出なくなっても、浴槽で温まることはできます。風呂桶でお湯をすくって頭や体を洗うことも可能です。
また、キッチンなどでお湯がどうしても必要な場合は、コンロやケトルでお湯を沸かすなどしましょう。
H57エラーコードの修理費用
最後に、エコキュート専門業者に修理を依頼した場合の費用についてご紹介します。
4-1. 点検費用は1.5~2.5万円
エコキュートの修理で重きを占めるのは、点検費用や技術費用です。この料金設定は業者により異なります。しかしおおよそ相場は1.5万円~2.5万円程度でしょう。
業者の事務所から、自宅までの距離が極端に遠い場合などは、追加で出張費用が加算される場合もあります。
4-2. 中間混合弁の費用は約1万円
中間混合弁の本体価格は、約1万円〜1.5万円です。これはあらゆる混合弁に共通しています。
そのため、中間混合弁の交換を行う場合は、点検費用と部品の本体費用を併せて約2.5万円~4万円程度がかかる計算になります。
H57エラーコードが出たときは、このくらいの修理費用を見積もっておくといいでしょう。
4-3. 基盤の費用は4~5万円
まれにH57エラーコードが出て点検をすると、基盤の交換が必要になる場合もあります。
基盤は部品の中でも比較的高価な部類です。本体価格は4~5万円。つまり基盤の交換修理には、合計7万円前後の費用がかかる可能性があります。
4-4. 保証期間内なら無料
エコキュートには、どのメーカーであっても保証期間が付いています。また、購入時にオプションとしてサポートを付けることも可能です。
お持ちのエコキュートが保証の対象であれば、これらの修理は無料で対応してもらえます。無料の保証がある場合は、ぜひ有効活用して下さい。
まとめ
エコキュートのH57エラーコードについてご紹介しました。
中間混合弁の異常を意味するH57が表示されると、水道やシャワーからお湯が出なくなり不便です。
しかし自分で修理するには非常にリスキーなエラーコードだといえます。
そのためH57が表示されたらできるだけ早く、エコキュートの専門業者に修理を依頼しましょう。