電気代の節約もでき、環境にも優しいエコキュート。
エコキュートの湯切れトラブルについて、あなたはご存知でしょうか。
近年、オール電化にする家庭も増えており、同時にエコキュートの需要も増えています。
しかし実際に「トラブルが起きてもどうすればいいのかわからない」といった方も少なくありません。
そのリスクを知らずに設定や使い方を間違えれば、湯切れなどのトラブルで困ってしまうことになりかねません。湯沸かし器として非常に優秀なエコキュートですが、実は弱点もあるのです。
ここからはそんなエコキュートの湯切れの原因と対策について詳しく解説していきたいと思います。この記事を読めば、きっとエコキュートの湯切れトラブルにも落ち着いて対処できることでしょう。
エコキュートの構造
まずはエコキュートの構造について見ていきましょう。
1-1.タンクとヒートポンプユニットでお湯を沸かす
エコキュートの主要部分は大まかに2つ。タンク部分と、お湯を沸かす部分で出来ています。
お湯を沸かすのはヒートポンプユニットと呼ばれる設備です。
タンクの水がヒートポンプユニットを通ることによって、お湯に変化。そして熱湯は再度タンクに戻され、専用の配管を通じて家に運ばれるのです。
1-2.タンクの中にはお湯と水が混合
エコキュートのタンクは、中で水とお湯が混ざり合っています。タンクの下部には水が、そして上部には熱湯が貯蓄される仕組みです。
水は下側についている配管からヒートポンプユニットに送られます。そして熱されてお湯になった後、タンクの上部に戻ってくるのです。
エコキュートは使用量に応じて、タンクの中でお湯の割合を減らしたり増やしたりできます。
1-3.学習機能で必要なお湯を計算
エコキュートには、学習機能というものが搭載されています。これは「おまかせ」設定と呼ばれるものです。
普段使用している湯量をエコキュートが自分で計算し、それに最適な湯量を自動的に沸かしてくれるという設定です。
自動で適量のお湯を沸かしてくれるので、非常に便利な機能といえます。
エコキュートの湯切れとは
早速エコキュートの湯切れについてみていきましょう。
エコキュートが湯切れをした場合、どのような事態になってしまうのでしょうか。
2-1.タンクにお湯がない状態
湯切れとはその名の通り、お湯が出なくなってしまう現象です。これはつまり、タンクの中にお湯がない状態を意味します。
お湯がないタンクは、水でいっぱい。
つまり使用量に対して、沸き上げが間に合っていないということです。
2-2.最低30分以上はお湯が出ない
エコキュートで一度湯切れを起こすと、その後少々待たなくてはいけません。
通常の湯切れであれば、シャワー1人分のお湯を沸かすのに30~40分の待機が必要になります。使用湯量が多ければ、さらに長い時間の湯沸かし時間が必要です。
ちなみに従来の電気温水器の場合は、一度湯切れを起こすと翌日まで全くお湯が使えないというものでした。
それと比較すると、エコキュートがかなり進歩していることが分かります。
エコキュートの湯切れの原因
ではなぜエコキュートで湯切れが起こるのでしょうか。
続いてはその原因について見ていきましょう。
3-1.急激なお湯の使用量増加
エコキュートは、普段のお湯の使用量に合わせてお湯を沸かす機能があります。これを先ほど、「おまかせ」設定とご紹介しました。
電気代の節約にもなるこの機能ですが、イレギュラーには少々弱いというデメリットがあります。
例えば家に人を呼んでお風呂の回数が増えた日や、いつもより多くお風呂に入った日など。こうした日にはお湯の使用量が大幅に増えます。
このように急激にお湯の使用量が増える場合、「おまかせ」設定で沸かした量を超えてしまい湯切れを起こしてしまうのです。
3-2.朝風呂によく入る
エコキュートは電気代の安い深夜電力を活用して湯沸かしをしてくれます。そして明け方4~5時ころに湯沸かしを完了。
その日の夜に最適な温度でお風呂に入れるよう調節してくれるのです。
しかし朝風呂に入る人は、沸き上げてすぐのお湯を朝から使ってしまうことになります。すると夕方頃に湯切れが起きてしまう場合も。
この場合は沸き上げたお湯の量が足りていないということが原因です。
3-3.「深夜のみ沸き上げ」設定
エコキュートは基本的に夜間に湯沸かしをしてくれますが、お湯が足りなくなりそうな時は昼間でも自動で追加の湯沸かしが出来ます。
しかし昼間の電力は高いので、夜間のみの沸き上げに限定するという設定も出来るのです。
これが「深夜のみ沸き上げ」設定です。
この設定を行うと節約にはなりますが、湯切れの前触れに対応出来ません。夜間に沸かしたお湯が無くなりそうでも、追加の湯沸かしが出来ないのです。
この設定により湯切れを起こす場合もあります。
3-4.タンクのサイズが合っていない
お湯の必要量にマッチしたタンクでないと、湯切れは頻繁に起こります。
タンクのサイズは購入時に業者と相談しながら決定するのが一般的です。また、適度なサイズのタンクであれば多少の湯切れがあっても、湯沸かし量を増やすことで頻発は防げます。
しかし何をしても湯切れが頻発する場合は、根本的にタンクの容量が小さすぎるのかもしれません。
通常時は問題なくても、来客が来たり住人が増えたりした場合に従来のタンクでは間に合わなくなる場合があります。
3-5.水漏れ
ある一定の時期から湯切れが頻繁に起こるようになったら、水漏れの可能性もあります。
配管のどこかが破け、お湯が漏れ出すことで沸かしたお湯がどんどん減ってしまうのが水漏れです。
設定を変えて湯切れを防いでいる内に、電気代が急に高くなったという場合にも要注意。
水漏れは経年劣化でも起こりやすいとされており、7~8年使用しているエコキュートは注意が必要です。
エコキュートが湯切れしてしまったら…
それではエコキュートが実際に湯切れを起こした時の対策をご紹介します。
4-1.水漏れがないか確認
エコキュートの湯切れの原因で一番怖いのは水漏れです。水漏れは放置するとエコキュート本体を破損しかねません。
湯切れが起きた時には、ひとまず水漏れが無いかを確認しましょう。
一般的に水漏れをするのはヒートポンプユニットと本体をつなぐ配管あたりが多いとされています。そのあたりを重点的に確認するとよいでしょう。
もし水が漏れているようであれば、エコキュートの電源をオフ。必要であれば止水栓を閉め、業者に連絡するのがベストです。
4-2.「深夜のみ沸き上げ」設定をオフ
昼間の追加沸き上げが出来ないことで湯切れを起こしている場合もあります。
もし「深夜のみ沸き上げ」設定をしている場合は、それをオフにすることで随時適量の湯沸かしをしてくれます。
「どうしても昼間の電気代は節約したい!」という方は、全体の湯沸かし量を手動で増やすことも出来ます。これにより夜間の湯沸かしのみで、湯切れしない量のお湯を沸かせます。
自身で湯量を調節する必要があるので少々面倒ではありますが、これも一つの手です。
4-3.「湯切れ防止」設定をオン
色々と手動で設定するのは面倒だという方もいるでしょう。そんな場合に便利なのが、「湯切れ防止」設定というものです。
これをオンにしておくことによって、常に湯切れをしないようこまめにお湯を沸かしてくれるようになります。
昼間の湯沸かしをする可能性があるのはデメリットといえますが、ボタン一つで湯切れを防げるので便利な方法です。
ちなみにこの設定には段階があり、もし設定していても湯切れを起こすようであれば「湯切れ防止」設定のレベルを上げることでさらに湯切れリスクを下げることも出来ます。
4-4.使用量が増える時は「おまかせ」設定をオフ
人を家に招いた時など、通常よりもお湯の使用量が増える場合があります。このときに「おまかせ」設定にしておくと、いつも通りの量を沸かすので湯切れしやすくなります。
使用量が増えることが分かっている場合は、「おまかせ」設定をオフにしておきましょう。そしていつもよりも多めに湯沸かしをさせることで湯切れは防げます。
また、夜間の湯沸かしの温度を上げておくというのも一つの手です。沸かす温度が高い程保温効果が持続し、多くのお湯を使えるようになります。
水漏れの可能性
もし単なる湯切れではなく水漏れが原因だとしたら、早急な対策が必要です。
最後に水漏れが起きた時にすぐ対処できるよう、事前のチェック事項をご紹介します。
5-1.エラーコードを確認
エコキュートが湯切れを起こしたとき、水漏れが原因だったということもあります。
この場合の多くは、リモコンに「エラーコード」が表示されます。
エラーコードとは、アルファベットと数字からなるコードのことです。メーカーごとにエラーコードの意味は異なります。
もしエラーコードが出ているようなら、ネットでエラーコードの示す故障の内容について調べてみるといいでしょう。
5-2.事前に止水栓と電源の場所をチェック
もし本当に水漏れが起きている場合は、早急にエコキュートの湯沸かしをオフにしなければなりません。そうでないと、熱湯が外に噴き出し危険な状態になることもあります。
そんな万が一の場合にしっかりエコキュートの稼働を停止させられるように、日ごろから止水栓と電源の位置はチェックしておきましょう。
エコキュートの構造はメーカーにより異なるので設置時に確認してもいいですし、ネットで調べればすぐにその場所を見つけることが出来ます。
5-3.万が一の連絡先をチェック
エコキュートを購入する際、24時間サポート体制のある修理会社を紹介されることが大半です。
自分のエコキュートの故障はどこに連絡すればいいのか、しっかりチェックしておきましょう。
すぐにみられるところに電話番号を控えておくのもおすすめです。
まとめ
エコキュートの湯切れについて、原因と対策をご紹介しました。
エコキュートは設定1つで様々な使い方が出来ますが、その設定を間違えると湯切れのリスクも高まります。
自分の使用状況に応じて、事前に最適な設定をしておくのが湯切れ防止のポイントです。
また、もし湯切れしてしまった場合は水漏れチェックも忘れずに行ってみて下さい。