様々なメーカーから発売されているエコキュート。皆さんは、メーカーによってどのくらい価格は機能が異なるか、ご存知でしょうか。
実際のところ、「どれも違いがわからなくて、自分に合ったエコキュートが選べない…」という方も多くいらっしゃいます。
しかし、メーカーによる違いを知らずにエコキュートを購入してしまうのはかなりリスクがあります。ご自身がお住まいの地域や生活スタイルによってエコキュートに必要な機能などが変わってくるからです。
ここからは、エコキュートを選ぶポイントごとにメーカーのランキングをご紹介していきます。この記事を読めば、どのメーカーがあなたにとって最適な条件を満たしているかが理解できることでしょう。
エコキュートを選ぶ時のポイント
まずはエコキュートをどのような観点で選ぶべきなのか、見ていきましょう。
1-1. サイズやスペック
大前提として、自分の世帯に最も合ったスペックのものを購入する必要があります。
はじめに決めるのはタンクのサイズでしょう。
2~3人の家庭なら370ℓ容量、3~5人であれば460ℓなど、お湯の使用量に応じたタンクサイズが必要です。
また給湯のみの機能でよいのか、ボタン1つで追い炊きまでできるフルオートタイプのものがいいのかというのもポイントです。
エコキュートには給湯専用タイプ・セミオートタイプ・フルオートタイプの3種類があります。
この中のどれにするか、ご自身の好みを決めておきましょう。
1-2. 省エネ性能(電気代)
製品により、節約できる電気代も様々です。出来ることなら電気代を安く抑えられる製品を選びたいですよね。
そんなエコ性能の高さをはかれる基準が「省エネ基準達成率(%)」と「年間給湯保温効率(JIS)」です。
省エネ基準達成率は、省エネ法で製品ごとに定められた省エネ目標値をどの程度達成しているかという割合を指します。
年間給湯保温効率(JIS)は単位消費電力量あたりの給湯熱量および保温熱量のことを指します。
両者も数値が大きければ大きいほど、省エネで電気代の節約にも貢献できるということになります。
1-3. 保証期間
メーカー保証期間も大切です。万が一の時に無償で修理をしてくれる保証期間があるとないのでは大違い。
有償で保証期間を延長できるメーカーもあるので、できるだけ長い保証期間をつけておくことをおすすめします。
1-5. シャワーの水圧
シャワーの水圧も意外に大切なポイントです。
実はエコキュートをはじめとする電気で稼働する給湯器の場合、パワフルさが足りないと言われがち。
特に同時に数か所でお湯を使うことが多い家庭や、マンションの2階以上になると水圧がどうしても落ちてしまうことがあります。
そこまで水圧は気にしないという方も、毎日のこととなると意外に重要です。水圧の強さもチェックしておくことをおすすめします。
1-6. 湯はり性能
給湯器の仕事はお風呂にお湯をはることです。当然ながら湯はりや追い炊きの時間は短く済んだ方がいいですよね。
実は湯はりにかかる時間の長さもメーカーごとに少しずつ異なります。大きな違いはありませんが、こうしたポイントも要チェックです。
1-7. その他の機能
お住まいの地域によって、寒冷地仕様や耐塩害仕様のエコキュートの導入をしなくてはならない場合もあります。
そういった地域に無理に一般地仕様のエコキュートを入れると、故障の原因にもなりかねません。
また、井戸水を使うご家庭も同様。
こうした仕様のエコキュートに強いメーカーを選ぶことが重要です。
その他にはメーカーが独自で追加している便利機能や、オプション機能などで選ぶのもありでしょう。
エコキュートの電気代ランキング
それでは早速、電気代のランキングから見ていきましょう。今回は第5位までご紹介します。
2-1. 省エネ性能ランキング(一般地仕様)
順位 | メーカー名 | 省エネ性能(%) |
1位 | コロナ | 122 |
2位 | 三菱 | 118 |
2位 | 日立 | 118 |
2位 | パナソニック | 118 |
3位 | 東芝 | 109 |
省エネ性能に関してはコロナが圧倒的な1位となりました。
コロナは実はエコキュートを最初に開発したメーカーでもあります。そのためエコに関する技術やノウハウについては業界でもトップクラスです。
また、2位は3社が同列となりました。どのメーカーも省エネ性能については力を入れています。
そのため、どのメーカーであっても110%近くの省エネ基準は優に達成できていることが分かります。
2-2. 年間給湯保温効率ランキング(一般地仕様)
順位 | メーカー名 | 年間給湯保温効率 |
1位 | コロナ | 2.8~4.0 |
1位 | 三菱電機 | 2.8~4.0 |
2位 | パナソニック | 2.9~3.9 |
2位 | 日立 | 2.9~3.9 |
5位 | 東芝 | 2.8~3.6 |
年間給湯保温効率のランキングはこのようになりました。やはりコロナは高い数値を誇っています。
さらにそれに追いつくように三菱電機が同列の数値を出しているのもポイント。
また、2位にはパナソニックと日立が並びました。こちらはアッパーの数値が低いものの、アンダーは2.9と1位よりも高い数値を出しています。
1位2位に関してはそこまで使用上の差はないといえるでしょう。
電気代で見ても、やはりこのトップ4社がほぼ同列で安く抑えられる傾向にあります。
2-3. 寒冷地仕様の場合
順位 | メーカー名 | 年間給湯保温効率 |
1位 | 三菱電機 | 2.7~3.4 |
2位 | 東芝 | 2.8~3.3 |
2位 | コロナ | 2.8~3.3 |
3位 | パナソニック | 2.7~3.3 |
4位 | 日立 | 2.8~3.0 |
先ほど一般地仕様のエコキュートの年間給湯保温効率についてご紹介しました。しかしこのランキングは、寒冷地仕様の場合だと少し変わります。
寒冷地仕様のエコキュートを購入する際、おすすめなのは三菱電機のエコキュートです。
一般地仕様でも高い数値を出している三菱ですが、寒冷地仕様になるとさらにその保温効率の高さを発揮します。
また、東芝も先ほどは5位でしたが寒冷地仕様になると2位に躍り出ています。
そして依然として安定した保温効率を誇るコロナ。
パナソニックや日立は寒冷地仕様となると、少々数値が落ち込みます。
エコキュートのメーカー保証ランキング
3-1. 本体の保証年数ランキング
順位 | メーカー名 | 保証年数(年) |
1位 | 東芝 | 5 |
2位 | コロナ | 2 |
2位 | 三菱電機 | 2 |
3位 | パナソニック | 1 |
4位 | 日立 | 1 |
本体とは、エコキュートに必要な熱を作る装置のことです。「ヒートポンプユニット」とも呼びます。
この装置はエアコンの室外機のようなもので、外気の大気熱を取り込むことが出来ます。
そんなエコキュートの心臓ともいえるこの装置の保証年数が最も長いのは東芝。東芝は保証年数の長さが業界最長ということでも有名です。
そのあとに続くのはコロナと三菱電機の2年。
2年や1年というと非常に短い感じがしますが、東芝も含めメーカーのほとんどは保証期間を有償で延長することが出来ます。
多くの場合は5年や8年コースがあるので、是非その金額やシステムもご確認ください!
3-2. 貯湯タンクの保証年数ランキング
タンクに関しては、実は5社同列で5年の保証期間がついています。
タンクはかなり耐久性の高いもので、そこまで頻繁に壊れるものではありませんが、細かい配管の部品などは消耗品です。
こうした部品は経年劣化により壊れ、水漏れの原因になることもしばしば。
無償で5年のタンク保証が付いてくるというのは非常にありがたいですね。
3-3. その他の装置の保証年数ランキング
順位 | メーカー名 | 保証年数(年) |
1位 | 東芝 | 5 |
2位 | 三菱電機 | 3 |
2位 | 日立 | 3 |
2位 | パナソニック | 3 |
2位 | コロナ | 3 |
その他の保証対象部品で、本体内の冷媒系統と呼ばれる部品があります。これは熱交換器やコンプレッサーと呼ばれる部品からなるものです。
この部品の保証期間に関しては東芝が相変わらずの1位。東芝はどの部品に関しても最低5年の保証期間を設けているので非常に安心です。
そしてその他のメーカーは同列で3年の保証期間を設けています。
これもまた有償の延長保証対象になるので、不安な方は是非ご検討ください。
便利なお風呂性能ランキング
4-1. シャワー水圧ランキング
順位 | メーカー名 | シャワー水圧(kPa) |
1位 | 日立 | 500 |
2位 | 東芝 | 300 |
3位 | ダイキン | 290 |
4位 | 三菱電機 | 280 |
4位 | コロナ | 280 |
弱いと意外に不便なシャワーの水圧。この水圧に最も力を注いでいるのが日立です。
日立は水道直圧方式という独自のシステムで、非常に強い水圧を実現。他のメーカーの中でも群を抜いて、力強いシャワーを提供しています。
2位は東芝です。そして3位に初めて登場したのがダイキン。ダイキンもまた近年、エコキュートのシェアを伸ばしているメーカーです。
そして4位は三菱電機・コロナと続きました。
ちなみにそこまで水圧を気にしない方や、複数個所でお湯を使わない方であれば、4位の280kPaという水圧も問題なく使えるレベルです。
4-2. 湯はりの時間ランキング
順位 | メーカー名 | 湯はりの時間 |
1位 | 日立 | 約5分45秒 |
2位 | ダイキン | 約11分 |
3位 | 東芝 | 約12分 |
3位 | コロナ | 約12分 |
3位 | 三菱電機 | 約12分 |
湯はりの時間に関しては、180ℓのエコキュートで計算した場合、上記のようなランキングとなっています。
日立がダントツで1位なのは、先ほどご紹介した水圧の強さに関係があります。
水圧が強いということは、勢いよく水が大量に出るということです。そのため日立はそのパワフルな水圧を利用して、湯はりの時間も短縮しているのです。
ちなみに2位のダイキンも比較的湯はりが早く、3位以下は最速12分とおよそ同列となりました。
4-3. 運転音の静かさランキング
エコキュートを購入する際に心配する方が多いのが、運転音です。
エコキュートは基本的に夜間に稼働するので、その運転音が大きいと近所迷惑にもなりかねません。何より自分がうるさくて寝られないということにも…。
しかし、エコキュートの運転音はそのメーカーも比較的静かに設計されています。
ランキングにしてもほぼ同列。ほとんどのメーカーが40dB程度の運転音になるような設計をしています。
ちなみにこれは図書館の中くらいの音レベル。夜に稼働していてもそこまで気になりません。
ランキング総合評価
ここまで様々な観点でメーカーごとのランキングを見ていきました。
単純に省エネ性能や月々の電気代節約だけを考えれば、コロナが圧倒的です。
ただし寒冷地仕様の場合、強いのは三菱電機という結果でした。
さらに無償の保証期間が長いのは断トツで東芝。
水圧が強いのはなんといっても日立です。
どれも平均的なステータスとなっているのがパナソニックといったところでしょうか。
それぞれメーカーごとの特色があるのがよく分かりますね。
これに加え、あとはメーカーごとのオプション機能などを吟味しながら自分に最も合ったエコキュートを選んでみて下さい。
まとめ
エコキュートのメーカーランキングをご紹介しました。
ポイントごとにランキング化してみると、各社の強みがよく分かります。
ぜひこれからエコキュートの導入を検討している方は、これを参考にしてみて下さいね。