近年、その高い稼働効率が注目されているエコキュート。皆さんは、ご自分の生活や住宅に合ったタイプのエコキュートをご存知でしょうか。
実際のところ、「種類がありすぎて、どのタイプを選べばいいかわからない…」といった方も多いのではないでしょうか。
しかし、その選び方を知らずに何となくでエコキュートを選んでしまうのはとても危険です。エコキュートと一言で言っても、それぞれの機能や形状、地域やライフスタイルなどに合ったエコキュートが存在します。
ここからは、エコキュートを購入する際の選び方についてご紹介します。この記事を読めば、どのエコキュートがあなたに最適かが理解できることでしょう。これからご購入の予定がある方は特に必見です。
エコキュートの特徴
まずはエコキュートがどんな給湯器なのか、ということについて見ていきましょう。
1-1. 自然冷媒ヒートポンプ給湯器
エコキュートの正式名称は、「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」というものです。しかしこれでは長く堅苦しいので、愛称として「エコキュート」という名がつけられています。
ちなみにこの自然冷媒ヒートポンプとは、エコキュートならではのシステムです。外気から大気熱を取得し、それを圧縮することで効率よく熱を生み出すことができます。
他の電気式給湯器よりも稼働効率が高く、環境にも優しいのが特徴です。
1-2. 電気代節約に貢献
エコキュートはコスト面でも大きなメリットのある給湯器です。
エコキュートの稼働は基本的に夜。というのも夜間電力は日中に比べて需要が少ない分、安く料金設定されているのです。
そのため、日中に給湯器をフル稼働させるよりもはるかにコストの削減が実現できるのです。
ちなみに通常の電気式給湯器と比較すると、月々のコストはなんと3分の1にまで抑えられるのです。
1-3. 色々な機能で快適なお風呂ライフを
エコキュートには便利な学習機能が付いています。例えば過去7日間のお湯の使用量データを蓄積し、それに基づいた量の湯沸かしを行います。これにより、お湯と電力に無駄が出来ません。
さらには様々な便利なオプションのついたエコキュートも近年開発されており、より快適なお風呂ライフを送ることが出来ます。
機能で選ぶ
それでは早速エコキュートの選び方について見ていきましょう。
まず1つめのポイントは、エコキュートの機能で選ぶ選び方です。機能で分けたエコキュートの種類は3種類。それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1. 給湯専用エコキュート
一番機能がシンプルなタイプがこの給湯専用エコキュートです。このタイプは蛇口から直接浴槽にお湯を入れるというものです。
浴槽内にお湯の出し入れをする配管はついておらず、非常にシンプルなタイプです。湯はりをしたいときには自分で蛇口をひねり、丁度いい量がたまったら蛇口を締める。
このようにすべての作業を手動で行う必要があるのがこの給湯専用エコキュートです。
2-2. セミオートエコキュート
セミオートタイプは「ふろ自動」といったボタンを押すことで、自動で湯はりをしてくれるタイプのエコキュートです。
さらに湯はりも丁度いい量になると自動で止まり、湯はり完了のお知らせをしてくれます。湯量の調節をしたい場合も、リモコン一つで操作が可能です。
ちなみにこのタイプは、自動保温・追い炊きが出来ません。ただしたし湯は出来るので、お湯を抜いてからたし湯をすればお湯の温度を元通りにすることは出来ます。
2-3. フルオートエコキュート
全自動の湯はりに加えて、フルオートタイプでは出来なかった自動保温・追い炊き機能が追加されたタイプがこのフルオートエコキュートです。
しかも全ての操作がリモコン一つで可能。利便性としては最も高いエコキュートです。
ちなみに製品によって追い炊き機能にもいろいろあり、急速に追い炊きをするものと徐々に追い炊きをするものなど温度変化の緩急も選べる場合があります。
フルオートタイプのエコキュートは非常に便利な反面、全タイプの中で最も初期費用や電気代がかかることになります。
容量で選ぶ
エコキュートはタンクにお湯を溜めておくタイプの給湯器です。そのため、使用する湯量にあったタンクサイズのエコキュートを選ぶ必要があります。
ここからは家族の人数によって選ぶという選び方をご紹介していきます。
3-1. 1~2人家族の場合
1人または2人暮らしの場合、1日で使う湯量はおよそ320Lとされています。この使用量に最適なエコキュートの容量は180Lタイプのものです。
「それでは容量が全然足りていないのでは?」と思う方もいるでしょう。しかしエコキュートは容量そのものが作れる湯量の限界ではないのです。
180Lタイプのものなら、およそ1.8倍に相当する320Lのお湯を作ることが出来ます。そのため、180Lの小さなタンクでも十分にお湯をまかなえるのです。
3-2. 3~4人家族の場合
3~4人家族となると、1日の使用湯量はグっとアップします。その量はおよそ460L。お子さんのいる家庭などはもっと多いかもしれません。
460Lという湯量に最適なタンクは370Lタイプのものです。この370L容量のエコキュートは最も一般的なサイズといえます。
家を建てたり、リフォームついでにエコキュートを導入する際、一番このタイプのエコキュートを購入する人が多いようです。
3-3. 4~5人家族の場合
4~5人家族の場合は1日のお湯の使用量が約530Lとされています。この量に匹敵するエコキュートは、460Lタイプのもの。
370Lよりも、本体が大分ワイドになり大容量です。ここまでくるとよほどのことで湯切れの心配はなく、給湯器として非常に安心感があります。
ちなみにそれ以上世帯人数が多い場合は、460Lより1段階上の550Lタイプというものを選ぶとよいでしょう。
タンクの形状で選ぶ
エコキュートタンクのスペックは、容量の違いだけではありません。実はその形状も、色々なタイプがあるのです。
実際に設置する場所の広さや場所の都合などに応じて、形状をカスタムすることも出来ます。ここからはタンクの形状での選び方をご紹介していきます。
4-1. 角型タイプ
角型タイプが一番オーソドックスなエコキュートのタンク形状です。名前の通り、大きなロッカーのように四角い形をしているタンクです。
ちなみにこのタイプのタンクは300L容量から550L容量まで幅広く展開されています。
ちなみにエコキュートに必要な設備はタンク、そして本体のヒートポンプユニットと呼ばれる部分です。ヒートポンプユニットは特に形状の差はなく、エアコンの室外機のような形をしています。
4-2. 薄型タイプ
少しでも設置スペースを抑えたいという場合は薄型タイプもおすすめです。このタイプのエコキュートはタンクの奥行きを減らし、スリムな形状になっています。
奥行きの長さはなんと43mm。それで通常通りの容量を確保しており、とてもコンパクトです。ちなみに容量は180L、370L、430L、の3種類がメインです。
どうしても場所を取りがちなタンクですがこの薄型タイプなら多少は省スペースで設置することが出来ます。
4-3. エコキュートライト
ワンルームやアパートといった、設置場所がかなり限られている場合はこのエコキュートライトがいいでしょう。
これは180Lに限ったサイズ展開です。このタイプであれば室内にも設置することが可能です。
地域で選ぶ
お住いの地域によってエコキュートの仕様を変えなくてはいけない場合もあります。ここからは住んでいる地域での選び方をご紹介していきます。
5-1. 一般地仕様
最低気温がマイナス10度までで海のすぐ側ではない地域の場合、特別な仕様を施す必要はありません。
5-2. 寒冷地仕様
北海道や東北地方など、最低気温がマイナス11度~マイナス25度になってしまうような地域では寒冷地仕様のエコキュートをおすすめします。
というのも、エコキュートの配管が凍ってしまったり、ファンが凍結により回らなくなる可能性があるのです。あまりに寒すぎると大気熱を取り込むことも難しくなり稼働効率が下がるともいわれています。
しかしこの寒冷地仕様のエコキュートであれば、一般的な土地と同じようにエコキュートを使うことが出来ます。
5-3. 対塩害仕様
海沿いにお住まいの方で、塩害のリスクが考えられる場合は対塩害仕様のエコキュートをおすすめします。
海の潮が風に乗って吹いてくると、通常のエコキュートにはすぐに錆が出来たりしてしまいます。これは故障の原因になり、寿命を縮めてしまうケースも。
この対塩害仕様のエコキュートなら、防錆コーティングがされています。そのため装置が錆びにくく、故障もおきにくいのです。
まとめ
エコキュートの選び方についてご紹介しました。
もちろん購入の際に気になるのはコストなどですが、一番重要なのは「自分の家に最も合ったものを購入する」ということです。これ無くしては、エコキュートを存分に稼働させることは出来ません。
エコキュートを選ぶ際には今回ご紹介ご紹介したポイントを元に検討してみて下さいね。