快適なお風呂ライフをサポートしてくれる便利な給湯器、エコキュート。その便利さの一方で、定期的なメンテナンスが必要だということ皆さんはご存知でしたか?
そうはいっても、「自分でできるか分からないし手間に感じる…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしエコキュートの定期的にメンテナンスを行わないと故障の原因になったり、必要以上に電気代がかかってしまったりと、思わぬトラブルに繋がるリスクがあります。
ここからはそんなエコキュートのメンテナンスについて、自分でのやり方と業者に頼む際のポイントをご紹介します。この記事を読めば、将来のエコキュートのトラブルを少しでも減らすことができるでしょう。
エコキュートの構造
まず簡単にエコキュートの構造について見ていきましょう。メンテナンスを行うにあたって、大まかな構造の把握は必須です。
1-1. ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニットとは、エコキュートの室外機のような部分です。
ここで外から取り込んだ大気熱を使い、熱を作り出しています。常にファンが回っており、その部分から外気を取り込んでいるのです。
いわばエコキュートのモーターのような部分が、このヒートポンプユニットにあたります。
1-2. 貯湯タンク
冷たい水と温かいお湯をどちらも中に溜めておけるのがこの貯湯タンクです。タンクの下部には水が、上部には温められた後のお湯が溜まっています。ここでは約1日分のお湯を夜間に作り置きし、ためておく役割を担っています。
そして私たちが湯はりをしたり、お湯を出したりすることで、このタンク内から保温されたお湯が出てくる仕組みになっています。
自分で出来るエコキュートのメンテナンス
それでは続いて、自分で出来るエコキュートのメンテナンスについて見ていきましょう。
部品によってはメンテナンスの目安も異なるので合わせてご紹介します。
2-1. 貯湯タンクの清掃
これがエコキュートのメンテナンスで最も重要です。
タンクは常にお湯を溜めておく機能があるので、定期的に排水して内部を洗浄しないと衛生面で問題があります。メンテナンスの目安は年に2~3回程度。
やり方は、約2分間タンクの水を排水するだけです。タンクの排水は、専用の「排水栓」を開くことで出来ます。
これにより、タンクの下に溜まった沈殿物をあらかた流すことが出来ます。
2-2. 浴槽フィルターの清掃
浴槽フィルターとは、浴槽の内部についている金具の内側にあるフィルターのことです。給湯や追い炊きの際に、ここを通ってお湯が出入りします。
この浴槽フィルターが汚れていると湯はりや追い炊きが上手く行かなくなるので、メンテナンスが必要です。これは浴槽の掃除と共に日常的に行うことをおすすめします。
ホコリや髪の毛など色々なものが意外と詰まりやすいので、金具を外して中の異物を取り除いてください。
2-3. 配管の清掃
エコキュートの本体と浴槽を繋ぐ配管も定期的なメンテナンスが必要です。
エコキュートには基本的にこの配管を自動洗浄する機能が付いていますが、時に手動で洗浄を行うとより清潔な状態を保てます。メンテナンスの目安は半年に1回程度です。
薬局などで販売しているお風呂の配管専用の洗浄液を使って、製品の使い方に基づいてメンテナンスを行って下さい。
2-4. 水漏れの点検
エコキュートの配管のつなぎ目にはシリコンやシールといった素材が使われています。もちろん丈夫には出来ていますが、劣化に伴い水漏れを起こすこともあります。こうした水漏れは発見が遅れてしまうこともしばしば。
そのため年に2~3回、タンクの排水をするタイミングと合わせて水漏れがないかどうか目視で点検することをおすすめします。
2-5. 逃し弁の点検
逃し弁とは、タンクの上部についているスイッチのようなものです。
一般的にはフタの内側についているので、ドライバーを使ってねじをゆるめてフタを開けます。これはタンク内の圧を一定に保つために設置されています。
この逃し弁が正常に作動しないと、タンク内が高圧になってしまい非常に危険です。これもまた年に2~3回の目安で、正常にオンオフが出来ているか作動のメンテナンスを行いましょう。
2-6. 漏電遮断器の点検
漏電遮断器とは、万が一漏電が発生した時にその電気をせきとめる役割を持つ部品です。タンクについており、逃し弁と同じような形でフタの内部に隠れています。
これがきちんと作動しなければ、万が一の時に非常に危険です。安全装置のような部品なので、これも年に2~3回の頻度で作動点検を行いましょう。
2-7. リモコンのお手入れ
エコキュートに指示を出すリモコンのメンテナンスも意外に重要です。
毎日使うリモコンは、水垢やほこりなど様々な汚れが付いてきます。こうした汚れで壊れることはそこまでありませんが、文字が読みにくくなったりすることがあります。
気が付いたらこまめにやわらかい布で汚れをふき取るようにしておくのがおすすめです。
メンテナンスの必要性
自分で出来るメンテナンスの方法についてご紹介しました。
しかしなぜ、ここまでまめにメンテナンスをする必要があるのでしょうか。ここからはその必要性について改めて確認していきましょう。
3-1. エコキュートが壊れやすくなる
当然ながら、エコキュートは機械です。10年~20年もの間使用できるとはいえ、長く丈夫に使うには当然それ相応のメンテナンスも必要になります。
例えばスマホを修理に出したり、車の点検をするのと同じです。メンテナンスを怠ってしまうと、それだけエコキュートの寿命も縮んでしまいます。
さらに面倒に思えるメンテナンスですが、これを行わないことでエコキュートの故障の原因にもなります。
エコキュートの買い替えは約30~70万円前後のお金がかかります。それを考えると多少の手間でもメンテナンスをした方が経済的です。
3-2. 浴槽のお湯が汚くなる
エコキュートはタンク内に常に水をためておく仕組みです。そのため、タンクをはじめ部品の清掃を行わないと衛生面でも問題があります。
掃除を怠ると、湯垢のようなものがお湯と同時に出てきたり、新しいお湯でもごみが浮いてしまったりします。
こうしたことを防ぐためにもメンテナンスは必要なのです。
3-3. 消耗部品が壊れる
エコキュートは機器全体の寿命としては10~20年とされていますが、実は消耗部品も使われています。例えば先ほどご紹介した逃し弁やポンプ、パッキン類などなど。こうした部品は3年程度で劣化が始まります。
そのため、自分で行うメンテナンスの他に業者にメンテナンスを依頼するのも重要なのです。
3-4. 必要以上に電気代や水道代がかかる
メンテナンスをするということは、エコキュートの稼働効率を維持することにも繋がります。
逆にメンテナンスを怠ると、エコキュートがスムーズに稼働できず必要以上の電気代や水道代がかかることにもなりかねません。例えば浴槽フィルターが詰まっていると、お湯の交換が上手く行きません。
その結果、必要以上の時間や電力がかかってしまう可能性があるのです。
業者にメンテナンスを依頼する
エコキュートのメンテナンスは定期的に業者に依頼することをおすすめします。
もちろん日々の点検は自分で行った上で、消耗部品の劣化時期に合わせて業者に依頼するのがベストです。
4-1. メンテナンス費用の相場
各メーカーにメンテナンスを依頼する場合、相場は1万2千円~1万7千円前後です。
一見高いようにも思えますが、エコキュートの全交換となったら1万円ではききません。維持費だと思ってしっかり定期的に依頼するのが無難でしょう。
ちなみにメーカーのメンテナンスでは、単なる点検だけではなく内部のクリーニングなども行ってくれます。自分では掃除しきれていない部分もクリーニングしてもらえるのでおすすめです。
4-2. メンテナンスの時期
メンテナンスの目安としては3年に1回がおすすめです。というのもエコキュートの消耗部品はおよそ3年で劣化する傾向にあるためです。
こうした部品が完全に壊れてしまうと、修理までエコキュートの稼働が止まってしまうことにもなりかねません。
是非部品が破損する前に、メンテナンスと同時に交換してもらうようにしましょう。ちなみにこうした部品の交換費用はパーツによって異なりますが一般的な相場は1万4千円~4万5千円程度です。
4-3. メーカーか販売店に依頼するのが無難
エコキュートのメンテナンスを依頼するのは、メーカーか実際にエコキュートを購入した販売店が最も無難でしょう。
エコキュートのメンテナンスや修理に特化した業者も中にはいますが、直接購入したお店に頼むのが安心です。
名前の知れない業者に依頼すると、部品の交換で済むにもかかわらず機器全体の買い替えをすすめられることもあるようです。
4-4. メンテナンスを依頼するメリット
メンテナンスをメーカーや販売店に依頼することで、自分では見つけられなかった劣化などが発見できます。
また、しっかりと定期的にメンテナンスを行えばエコキュートが完全に壊れてしまうことを未然に防げます。
少々手間に思うかもしれませんが、結果的にエコキュートをコスパ良く使い続けるための秘訣としてメンテナンスは重要なのです。
設置時の確認事項
最後に、エコキュートの点検先について事前に確認しておくべきポイントをご紹介します。
5-1. エコキュートのサポートセンターがあるか
ダイキンや三菱といったエコキュートのメーカーでは、一般的にサポートセンターとよばれる電話受付があります。購入の際には、こうしたサポートセンターの電話番号を聞いて控えておくようにしましょう。
またその電話受付が24時間なのか、相談無料なのかと言ったポイントも聞いておくと無難です。
5-2. 無償点検があるか
購入元によっては、エコキュートの無償点検を行ってくれる場合もあります。是非そのようなサービスは積極的に利用してください。
無償点検の有無、そして点検をする際の依頼先や依頼方法など、購入した時点でしっかりと確認しておくことが重要です。
まとめ
エコキュートのメンテナンスについてご紹介しました。今回ご紹介した自分で出来るメンテナンスの内容は、基本的にエコキュートの製品説明書にも記載してあります。
もしメンテナンスのやり方に不安がある場合は、メーカーのホームページなどでも確認できるので是非試してみて下さい。
適切なメンテナンスで、よりエコキュートを効率よく、そして長く利用していきましょう!